「侵略」の文言を盛り込むか、「おわび」を表明するかなど、談話発表前からその内容について
の報道が加熱していたが、閣議決定して発表された安倍談話では、これまでの村山談話(50周年)
や小泉談話(60周年)では全く触れられなかった台湾について言及された。該当箇所は下記の通
り。
<先の大戦への深い悔悟の念と共に、我が国は、そう誓いました。自由で民主的な国を創り上げ、
法の支配を重んじ、ひたすら不戦の誓いを堅持してまいりました。七十年間に及ぶ平和国家として
の歩みに、私たちは、静かな誇りを抱きながら、この不動の方針を、これからも貫いてまいりま
す。
我が国は、先の大戦における行いについて、繰り返し、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを
表明してきました。その思いを実際の行動で示すため、インドネシア、フィリピンはじめ東南アジ
アの国々、台湾、韓国、中国など、隣人であるアジアの人々が歩んできた苦難の歴史を胸に刻み、
戦後一貫して、その平和と繁栄のために力を尽くしてきました。
こうした歴代内閣の立場は、今後も、揺るぎないものであります。>
安倍談話については、台湾でも大きく報道されており、歴代の内閣が発表した主な談話では初め
て台湾に触れたことが、却って安倍政権による台湾重視の姿勢を示しているとの見方も出ている。
また、民進党は安倍談話の発表後、ほどなく声明を発表し「民進党は安倍談話に代表される安倍
政権の姿勢を受け入れる。安倍首相の歴史を正視しようとする態度は、地域の平和と安定に寄与す
るだろう。日本と台湾はともに平和、民主主義、自由の価値を共有している。また、日台はアジア
地域における最も重要なパートナーであり、アジア太平洋地域における安全保障の問題についても
密接かつ不可分の関係を有している。民進党は、日台がより緊密に協力しあい、地域の平和、民
主、繁栄に貢献することを期待している」などと述べた。
◆内閣総理大臣談話(戦後70年談話)の全文【8月14日】
http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/discource/20150814danwa.html
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安倍総理が戦後70年談話を発表したことを受け、総統府の陳以信・報道官が「馬英九総統は日本
政府が今後も歴史の事実を正視すると共に深く反省し、教訓を心にとどめ続けるよう期待してい
る」と発表。この発表の中で「台湾の国民党政権が日中戦争当時は中国大陸で日本軍と戦って勝利
し、台湾を日本統治から解放したとの考えも強調した」(日経新聞)という。
一方、馬英九総統は13日、「台北市内の総統府で、抗日戦争の期間中、中華民国を支援した当時
のソ連空軍志願隊の遺族2人に『抗戦勝利記念章』を授与し、戦争で200人以上が犠牲になった同志
願隊の貢献に感謝を表明した」と中央通信社が伝えている。