憲法改正で「普通の国」目指せ 台湾前総統が日本に直言

アジアの二極化、中国有利に

【11月3日 世界日報Web版】

 【台北3日深川耕治】3日、台北郊外の淡水大学で開かれた国際シンポジウム「グロ
ーバル化における日本と東アジア」(主催・同大国際研究学院日本研究所)で李登輝前
総統が記念講演を行い、東アジアで中国と日本に2極化する動きの中で日本が世界第2
の経済大国として憲法改正に着手し、「普通の国」を目指すことを願うとの見方を示し
た。

 李前総統はまず、米国がイラクなど中東問題処理に重心を置いてアジアに関与する割
合が下がるとして「アジアでリーダーになる可能性のある国は日本と中国。このままで
は中国がやや有利」と予測。「小泉元首相、安倍前首相が教育基本法制定や憲法改正に
着手する動きを見せる中、福田首相の打ち出す政策はまだ不明確だが、日本が『普通の
国家』に変わっていくためにこれらを完成していくと確信する」と日本政府への期待感
をにじませた。

 台湾の政治状況については「独立、統一で意見がまとまらない混乱した状況。来年誕
生する総統は台湾住民の全体の声を1つに整理する必要がある」と述べ、与野党が対立
したまま混乱する状況を憂慮。「来年1月の立法委員(国会議員)選挙、来年3月の総
統選を控え、今後5年間の台湾の命運に大きな影響を与える時期を迎えている」と話し
た。

 李前総統は2日にも、台湾独立派の有識者らと会合を行い、台湾の第3勢力の再結集
には台湾団結連盟を中心に据えることにこだわらず、台湾本土派全体がまとまることを
願う意向を示していた。



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