昨年12月、「公民投票法」が改正されたことで成立要件などが大幅に緩和され、直近の正副総統選挙の有権者の1万分の1が発議に賛成し、同有権者の1.5%の署名により実施すると改められた。
2016年の正副総統選挙の有権者数から推算すると、約1,879名の賛成で公民投票を発議することができ、有権者約28万人の署名により公民投票を実施することができることになった。
そのため、福島など日本5県産食品の輸入規制継続、「台湾」名義での東京五輪への参加申請、同性婚容認などの賛否を問う10件の公民投票が実施される。賛成票数が反対票を上回り、かつ有権者数の4分の1以上となれば可決される。
統一地方選挙の有権者は約1,920万8,000人(中央選挙委員会発表)。公民投票法の改正により18歳以上も公民投票できることになったため、公民投票の有権者は60万人ほど増えて約1980万人とみられ、成立にはその4分の1の495万票以上を獲得しなければ可決しないという。
では、「台湾」名義での東京五輪への参加申請が495万票以上を獲得し、かつ賛成票が反対票を上回れば成立することになるが、その後はどうなるのか。
公民投票法第30条では「総統や責任機関が必要な処置を取る」ことを定めていて、台湾国際放送は「可決された場合、政府は国際オリンピック委員会に『台湾』名義での出場を申請し、同委員会の同意を得る必要があります」と伝えている。他のケースについても伝えているので下記に紹介したい。
————————————————————————————-史上最多! 国民投票10件も【台湾国際放送:2018年11月7日】動画:https://jp.rti.org.tw/news/view/id/91472
「台湾」の名義で東京五輪などのスポーツ競技に出場する国民投票が11月24日に行われる統一地方選挙と同日実施されます。提案が可決されなければこれまで通りに「チャイニーズタイペイ」で出場します。可決された場合、政府は国際オリンピック委員会に「台湾」名義での出場を申請し、同委員会の同意を得る必要があります。
性的少数者のLGBTによるパレード。彼らは同性婚の正当性を訴えています。今回の国民投票には賛成の案と反対の案、両方あります。しかし、この二つの案が可決されても可決されなくても同性婚の合法化に影響しません。というのは、司法院大法官がすでに憲法解釈から2年以内、すなわち2019年5月24日から同性婚を認めなければならないと明らかにしたからです。
「きれいな空気を返せ」と訴えているのは、深澳火力発電所などの火力発電所の建設停止、または規模拡張の是非を問う国民投票です。この国民投票が承認されるか否かに関わらず、深澳火力発電所の建設停止が決まりました。行政院長はすでにその建設停止を発表したからです。台湾では政府は国民投票の結果を実行に移す義務がありますが、強制力はありません。
例えば、2012年に行われた離島の馬祖でのカジノ誘致の是非を問う住民投票で賛成が57%を占めても政府には関連法令はないため、せっかくの住民投票も台無しになりました。