【1月31日 共同通信】
【台北31日共同】台湾の対中独立派政党、台湾団結連盟(台連)の精神的指導者、李登
輝前総統(84)は31日発売の台湾誌「壹週刊」のインタビュー記事で、これまでの独立追
求の主張を否定し、中国訪問に意欲をみせるなど大幅な政策転換を表明した。
今年末の立法委員(国会議員)選は定数が半減され、小選挙区制に変わるため、与党、
民主進歩党(民進党)と最大野党、国民党の2大政党制が進むとみられる。李氏は中道派
への移行で政治的な影響力を温存したい考えのようだ。
李氏は「台連」を中産階級や社会的な弱者を支持基盤とした「台湾民主社会党」に改名
したいとの意向も示した。
李氏は対中政策について「台湾は既に独立主権国家であり、独立を追求する必要はない。
それは危険で米国や大陸で多くの問題を引き起こす」と慎重な姿勢を示した。
「台湾独立、主張したことない」 李登輝氏発言に波紋
【1月31日 asahi.com】
中国が「台湾独立派の大親分」と一貫して非難している台湾の李登輝(リー・トンホイ)
前総統が、「私は台湾独立を主張したことはない」など従来の立場を百八十度ひっくり返
す発言をしていたことが31日明らかになった。その真意をめぐって台湾政界は大揺れにな
っている。
31日に発売された大手週刊誌「壱週刊」の29日の取材で語った。李氏は「台湾は事実上
主権が既に独立した国家だ」としながら、「このうえ独立を求めることは後退であると同
時に、米国や大陸(中国)との多くの問題を引き起こして危険」と断じた。そのうえで「
私は台湾独立派ではない」と明言した。
また「大陸の多くの団体や個人が私の大陸訪問を希望している。うまくいけば孔子が巡
った道を私も歩いてみたい」とも述べた。
李氏に近い筋によれば、昨年後半から中国側から李氏への訪中要請が積極化していると
いう。08年の北京五輪開催などをにらんだ中国の「微笑戦術」の一環とみられ、李氏が「
台湾独立」を表立って主張しなければ、中国要人との会談さえ現実味を帯びてきそうだ。