昨日、台湾の行政院主計処(統計局)は7月から9月の実質域内総生産(GDP)伸び
率が前年同期比マイナス1.02%となったことを発表した。今朝の日経新聞も「四半期ベ
ースでのマイナスは03年4−6月以来、5年3カ月ぶり。主計処は09年1−3月までマイナス
成長が続くと予測しており、台湾経済は景気後退局面に入ったとみられる」と伝えてい
る。
台湾の行政院(内閣)は18日、個人消費の刺激を狙って金券形式の「消費券」を発行
することを決め、景気浮揚を狙っているが、行政院主計処は08年、09年の実質GDP伸
び率予測を大幅に下方修正し、予測値は08年が従来の4.30%から1.87%に、09年は5.08
%から2.12%としたという。
馬英九総統は選挙公約として「633経済振興策」(6%以上の経済成長率、3%以
下の失業率、3万ドルの国民所得)を掲げた。経済対策への期待が当選した大きな原因
だと言われた。ところが、就任して4ヶ月も経たない9月3日、その経済振興策は早期達
成できないと宣言し「2期目の最後の年の2016年に達成したい」と述べた。これは事実
上の選挙公約の撤回宣言だったと言ってよい。このGDPの伸び率が何よりも証明して
いる。馬英九総統は台湾住民の期待に応えられないことも証明したと言えよう。
(編集部)
Q3経済成長マイナス1.02%
【11月21日 NNA】
行政院主計処は20日、第3四半期の域内総生産(GDP、速報値)伸び率はマイナス1.02
%だったと発表した。民間消費の低迷などにより、経済成長率は8月予測時の3%強を大
幅に下回った。同処は今年通年の経済成長率を1.87%と下方修正しており、IT(情報技
術)バブル崩壊の影響を受けた2001年のマイナス2.17%以来の低成長となる見通しだ。
第3四半期の経済成長率はマイナス1.02%と、8月下旬に同処が予測した3.04%を4.06
ポイント下回った。これで経済成長率は2四半期連続で前期を下回っており、景気後退
(リセッション)が鮮明となった。同処は民間消費の低迷と民間投資の不振、政府によ
る固定資産投資が予測通り進まなかったことが主な原因としている。
内需については、国際的な金融危機発生により台湾市場でも株価が下落、住民の資産
が大幅に減少したことで消費が冷え込んだ。電気料金の値上げやメラミン問題、台風の
連続などがこれに追い打ちをかけた。第3四半期の民間消費伸び率はマイナス1.97%と
なっている。世界経済の失速はメーカーの設備投資にも影響し、同期の設備輸入は18.7
%減少(台湾元ベース)。政府の公共事業も計画通りに進まず、政府による投資はマイ
ナス6.4%。内需全体ではマイナス2.2%となり、経済成長を1.87ポイント引き下げる結
果となった。
輸出も、先進国の景気低迷で振るわず、実質的な輸出成長率はマイナス0.7%となっ
ている。外需全体では経済成長に0.85ポイント貢献した。
■Q4GDPはマイナス1.73%予測
同処は第4四半期の経済成長率をマイナス1.73%と予測している。
税関統計の輸出は10月にマイナス8.3%(米ドルベース)に落ち込んでおり、第4四半
期通期でもマイナス8.3%になると予測する。
民間消費は、第4四半期はインフレ圧力が緩和されるものの、金融危機の発生、不動
産価格の下落気配により引き続き低迷するとみている。10月の統計では海外旅行や乗用
車販売、ガソリン販売などがマイナス成長となっており、第4四半期の民間消費はマイナ
ス1.86%になるとの予測だ。中国人ツアー客も、これまでよりは増えるが、当初計画に
は達しないとしている。
投資では、やはり海外の景気低迷でメーカーの設備増強が延期されており、同期の民
間投資はマイナス11.4%と予測。ただ政府による投資は「愛台12建設」などの始動によ
り10.6%増のプラス成長を見込んでいる。
物価は台風による野菜価格の上昇があるものの、原油価格の下落スピードが速く、第
4四半期の消費者物価指数(CPI)は2.33%、今年通年では3.64%と予測した。
■来年のGDPは2.12%予測
同処は今年通年の経済成長率は1.87%、来年は2.12%と予測しており、低空飛行なが
らプラス成長は確保するとみている。四半期別では第3四半期から3%台の成長になると
し、来年下半期からの景気回復を見込んでいる。
また2006年の経済成長率を従来の4.89%から4.8%に、07年は5.72%から5.7%にそれ
ぞれ修正した。今年第1、2四半期の成長率もそれぞれ6.25%、4.56%に修正している。
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