は総統就任字から「中華民族」という言葉をよく使う。
7月6日に「抗日戦争勝利および台湾光復70周年記念」拡大歓迎レセプションに出席したおりも、
ユダヤ人に2,000枚近くの『命のビザ』を発給し、国連より「中国のシンドラー」称号を受けた中
華民国駐オーストリア大使だった何鳳山氏を讃える中で「これは何大使の人権擁護の貢献が国内外
から評価され、中華民族の慈悲深い人道的精神を十分に示している」と述べた。
一方の中国の習近平も、主席就任の演説で「中華民族の偉大な復興という中国の夢を実現するた
め引き続き奮闘、努力しなければならない」と述べ、主席就任時から「中華民族」という言葉をよ
く使っている。
その中国では、国民党軍も日中戦争の主役だったことを認め、報道官が「戦争の勝利は中華民族
のすべての子孫が血を浴びながら奮戦して得た。勝利は中華民族がともに記念し銘記すべきもの
だ」と、中華民族を強調して述べた。
馬英九も習近平も、キーワードは「中華民族」のようだ。産経新聞が中国は「『対日共闘』を呼
びかけて台湾の与党、国民党を取り込む思惑がありそうだ」と報じている。
そういえば、総統選挙の中国国民党の公認候補となった洪秀柱・立法院副院長は、中国との平和
協定を結ぶことを公言している。
台湾取り込み狙う中国 「対日共闘」を呼びかけ、国民党軍の功績を再評価
【産経新聞:2015年7月7日】
【北京=矢板明夫】中国の習近平政権が、1937年から45年まで続いた日中戦争で、国民党軍が果
たした役割への積極的な評価を強調しはじめている。
歴史認識問題などで日本政府に対する批判を強めるなか、「対日共闘」を呼びかけて台湾の与
党、国民党を取り込む思惑がありそうだ。
「戦争の勝利は中華民族のすべての子孫が血を浴びながら奮戦して得た。勝利は中華民族がとも
に記念し銘記すべきものだ」
中国外交部の華春瑩報道官は6日の定例記者会見で、抗日戦争を主導したのは共産党か国民党か
と問われ、こう答えた。国民党軍も日中戦争の主役だったことを認めた形だ。
中国当局は長年、「抗日戦争の主役は共産党軍」と国内外に宣伝してきた。教科書や映画、テレ
ビドラマなどを通じ、「共産党軍が日本軍と戦った際、国民党軍は後方に隠れてほとんど何もしな
かった」と国内外に宣伝してきた。
しかし昨年あたりから、政府関係者が公の場で国民党軍の功績をたたえる場面が増えている。原
因について中国の台湾問題専門家は、「最近、台湾で中国の強引な拡張姿勢に反発する感情が高
まっていることを踏まえ、中国は歴史上の功績を高く評価することで国民党にラブコールを送る意
味もある」と分析する。
この専門家は「日中戦争で国民党が戦場で大きな役割を果たしたことは事実であり、それを証明
する史料がインターネットなどを通じて出回っている。いまさら隠しきれなくなった」とも指摘し
た。
共産党関係者によると、9月3日に北京で行われる反ファシズム戦争勝利70周年の軍事パレードに
国民党の元軍人が大勢招待される予定。習近平国家主席が直接会い、貢献をたたえるという。