の培の60万人と言われる。その中国人妻たちがこのほど政党を結成した。政党名は「中華
生産党」だという。
台湾の中国傾斜に危機感を募らせる人々も多い台湾だが、内部から中国化が進んでいる
とも指摘され、その最たるものが政党の結成だ。本物の中国人が台湾国内で堂々と合法的
に政治的発言力を確保するには政党を結成することで、危惧する声は以前からあった。そ
れが遂に現実となって現れた。
この政党名で思い出した。昨年の中華人民共和国での辛亥革命100周年記念式典でのこと
だ。胡錦濤総書記は講話で「辛亥革命は永遠に中華民族の偉大な復興の道に厳然と立つマ
イルストーンである」「両岸の同胞は血脈のつながった運命共同体で、大陸と台湾は両岸
の同胞の共同の家である」など、「中華民族」を連発した。
台湾で結成された「中華生産党」がめざすところも、おのずから透けてみえてくるので
はないだろうか。誰もが反対しにくい「差別撤廃」を掲げたことに、衣の下の鎧を見た。
台湾の中国化はいよいよ深刻の度を増している。
結婚で移住した大陸人が政党結成「差別の問題ある」=台湾
【サーチナ:2012年2月21日】
台湾人と結婚した中国大陸出身者がこのほど、「中華生産党」を結成した。台湾当局も
認め、2月28日には台北市内で結成大会を行った。大陸出身者が一様に感じるのは、周囲か
らの差別視という。同党主席に就任した盧月香氏によると、党員数は2万7000人に達した。
中国新聞社は自社サイトで21日、盧月香主席への取材を交えた記事を掲載した。
結婚により“中華民国”籍を取得した大陸部出身者は27万人、さらに申請中の人は60万
人以上いると見られている。東南アジアや欧米出身者の20万人を加えれば100万人を超える
「大集団」になるが、台湾社会では差別視される「弱いグループ」という。
盧主席は党結成の基本的考えを「当局がわれわれのために新たな政策を定めることを待
つよりも、みずから権利を勝ち取った方がよい」と述べた。今後は人材を育成し、小さな
地域の代表議員を生み出し、県や市の議員、最終的には台湾最高の立法機関である立法院
の同党所属議員を誕生させたいという。
盧主席は2010年に、台湾在住の大陸出身者の「Uターン投資」の世話をしてきた。大陸部
の農業やサービス業に投資をしてもらう。事業が成功して「大陸出身者の皆がもうかれ
ば、中華生産党の実力も、それにともなって向上する。台湾の政界で地位を得ることも可
能」と考えたからだ。
大陸出身者が問題だと考えている「差別的条項」のひとつとして、活動や資格の制限が
ある。移住して最初の2年は、「団聚」と呼ばれる期間だ。次の4年間は「依親居留」と呼
ばれ、一定の条件を満たした者だけが仕事を認められる。その次の2年間は「長期居留」
で、その後やっと、定住の申請ができる。
結婚にともない台湾に住むことになった人々は「法令に明らかな差別がある」として十
数年にわたり“戦って”いるが、効果はほとんどなかったという。
一般の台湾人にも「差別感情」はある。台湾に定住して15年という女性によると、4年前
に台北市内の幼稚園の教諭になった時には、保護者から「大陸人が、わたしの子を教えら
れるわけがない」という非難の声が殺到した。最近になりやっと、保護者の信頼を得たと
いう。
盧主席によると、結婚により台湾に住むことになった大陸出身者は「明暗が分かれてい
る」という。失敗が目立つケースとしては、台湾の生活に非現実的な幻想を抱いていた
り、適応能力に欠けている場合などが挙げられる。
盧主席は「心の中で恨んでいるよりも、現実を変えようと努力した方がよい。積極的な
考えで現実と向き合えば、よりよい結果を得られる」と述べた。(編集担当:如月隼人)