定した「漢光演習」が行われたが、馬総統は就任以来5年目にして初めて指揮を執ったと伝
えられている。
さらに顕著なのは、最近は中国との政治対話を拒否する姿勢を明らかにして「何を話す
ことがあるのか?」とまで語ったという。昨年1月に投開票が行われた総統選のさなか、中
国との和平会談を持ち出して多くの国民の顰蹙を買ったことがウソのような話だ。
アメリカが東アジアに軸足をシフトしたことに続いて、馬総統も軸足をようやくアメリ
カや日本に移した感がある。それでこそ日米などと価値観を共有するスタンスだとみえな
くもないが、中国との統一は馬総統の夢であり、父親に誓ったことでもある。早計な判断
は難しい。
台湾・馬総統「何を話すんだ?」…大陸との政治対話を拒絶
【サーチナ:2013年4月22日】
台湾の馬英九総統はこのほど、台湾紙「中華時報」の取材に答えて、中国大陸側との政
治対話について「何を話すことがあるのか?」として、受け入れない考えを明らかにし
た。中国新聞社などが報じた。
中国大陸は、台湾の李登輝政権、陳水扁政権には「独立志向がある」と警戒し、対立的
な局面が目立った。2008年に国民党の馬英九政権が発足すると、双方の対話や交流、協力
関係が大幅に進んだ。
しかし馬総統は取材に対して、自分は「早くから『一中各表』を主張」と述べ、大陸側
の「ひとつの中国」をそのまま受け入れる考えはないと表明。「一中各表」とは、「ひと
つの中国との立場を堅持するが、ひとつの中国の意味の解釈は各方で異なることを認め
る」との考えだ。馬総統は、中国大陸側との主張の隔たりを解消することは難しいとの考
えを示し「問題は依然として、解決の手立てがない」と述べた。
さらに、これまでに大陸とは18項目の合意が達成され、その過程で遭遇した政治的問題
も「すべて解決した」と指摘。これ以上の政治対話については「何を話すことがあるの
か?」と述べ、応じる考えがないことを明らかにした。
「政治的対話を進めるべきだ」との主張に対しては改めて、「何を話すのか、具体的に
論じた人はいない」として、「一致した意見もなしに、話しあいを急ぐ必要があるのか?」
と批判した。
「平和協定や中間協定を話しあうべきでは?」との指摘に対しても「それは学者の意見」
と否定。大陸側と台湾が相互に「出先窓口」を設けることは「差し迫った課題」と述べた
が、「(それ以外に)出来もしないことを手掛けて、新たに問題を発生させる必要がある
のか」と、大陸側と政治対話を行うことを、改めて否定した。 (編集担当:如月隼人)