会見しなかった。
この記者会見で馬氏は、中国が台湾向けに配備している弾道ミサイルを後退させるよう求めたと
ころ、習氏が「台湾を対象としたものではない」と言い放ったことを紹介したという。
目が点になるというのはこのことだろう。中国が台湾にミサイルを向けていることは世界の常識
だろう。中国人民解放軍のお偉方が「台湾は敵」と言ってはばからないし、中国人民解放軍が内モ
ンゴル自治区で、台湾総統府と外観がそっくりの建物を攻撃の標的として軍事演習を行ったのはつ
い4ヵ月前ほどのことで、中国の国営中央テレビが放映までしていたではないか。「世紀の大ウ
ソ」とはこのことだろう。
下記の中央通信社が伝えるように、台湾の国防部も「中国大陸の戦略ミサイル部隊が保有する短
距離弾道ミサイルと巡航ミサイルの数は1500基にも上る」と認めている。
こうしたウソを平然と首脳会議の席でつく習氏の中国に、馬氏はなにも違和感を覚えなかったの
だろうか。習氏のバレバレのウソよりも、馬氏がなんの反論もしなかった方が気掛かりだ。
台湾狙った中国大陸のミサイル「撤去は困難」=カナダの軍事評論家
【中央通信社:2015年11月8日】
(台北 8日 中央社)馬英九総統は7日、中国大陸の習近平氏との会談後の記者会見で、大陸側の
ミサイルなどの兵器や軍事施設について、習氏が「基本的に台湾を対象としたものではない」と
語っていたことを明らかにした。だが、大陸出身のカナダ人軍事評論家、平可夫(本名:張毅弘)
氏はこれを否定した上で、直ちにミサイルなどの撤去を表明させるのは難しいと述べた。
平氏は、大陸は人民解放軍の30万人規模の人員削減を発表したばかりで、さらなる軍縮の余裕は
ないと指摘。もしミサイルの撤去を実現しようとした場合、大陸は必ず両岸(台湾と大陸)間の信
頼醸成措置の構築を求めてくるだろうとした。
また、今回の馬総統と習氏の会談に続き、両岸が軍事交流を少しでも行えば、米国は台湾に対す
る武器売却の制限をさらに強め、日本も警戒を始める可能性があると語った。
国防部(国防省)によると、中国大陸の戦略ミサイル部隊が保有する短距離弾道ミサイルと巡航
ミサイルの数は1500基にも上るという。
(陳家倫、呂欣ケイ/編集:杉野浩司)