た李登輝元総統に無罪を言い渡した。しかし、最高検察署(最高検)は地裁判決を不服と
して台湾高等法院(高裁)に控訴した。
NHK「JAPANデビュー」裁判を闘ってきてわかったが、裁判は神経が磨り減る。
ストレスが溜まることこの上ない。李登輝元総統も、11月に無罪が言い渡されたとき「起
訴されてから眠れない夜がたびたびあった」などと、に記者会見で次のように述べられた。
≪自分は潔白であるから無罪が出るものと確信していた。とはいえ、中国社会は何が起こ
るかわからない。2年前に起訴されてから眠れない夜がたびたびあった。今日午後も昼寝で
きなかった。そんな私に力を与えてくれたのは信仰だった。信仰があったからこそ平静を
保つことができた。
検察は控訴を検討しているというが、検察総長は秘密漏洩罪で起訴され、今や自分が被
告の身だ。しばらくは選挙もない。私を起訴して何の意味があるのか。検察は2年近くずっ
と私をいじめてきた。90過ぎた年寄りを毎回法廷に呼びつけてどうするつもりか。≫
台湾はすでに「日本精神(リップンチェンシン)」が廃れ「中国式」が大手を振って歩
く中国社会となっている。だから、巧妙なウソや詭弁がまかり通り、常識では考えつかな
いことが起こることを危惧されての発言のようだ。最高検による控訴は、「中国式」を地
でゆく「李登輝いじめ」としか見えない。
李登輝元総統の無罪に控訴 台湾最高検
【産経新聞:2013年12月2日】
【台北=吉村剛史】台湾の最高検察署(最高検)特別偵査組(特捜部)は2日、外交案件
に関わる機密費を流用したとして汚職(公金横領)の罪に問われた李登輝元総統(90)に
無罪を言い渡した台北地方法院(地裁)の判決を不服とし、台湾高等法院(高裁)に控訴
した。
李氏は南アフリカ支援のための資金の一部をシンクタンク設立に流用したとして2011年
に起訴され、台北地裁は11月15日、無罪判決を言い渡した。