中央通信社は「同処は、2016年下半期からの景気の緩やかな回復によって労働市場の伸びが後押しされたことが背景にあると分析している」という。
一方、行政院主計総処は同日、2017年通年の実質賃金が平均4万7,271台湾元(約17万2,780日本円)で、過去最高となったことも明らかにしている。
蔡英文総統は1月23日、ツイッターに「Taiwan’s booming economy」(台湾の景気は好調)とツイートしていたが、台湾経済の回復傾向は続いている。下記に「台湾国際放送」と「Taiwan Today」の記事をご紹介したい。
—————————————————————————————–1月の失業率、過去17年来の最低に【台湾国際放送:2018年2月27日】
1月の失業率は過去17年来の同期の最低を記録した。行政院主計総処は26日、1月の失業率を公表した。1月の失業率は3.63%で、過去32ヶ月来の最低を記録すると共に、過去17年来の同月の最低も塗り替えた。
季節調整済みの失業率は3.68%で、2001年2月以来の最低となった。主計総処は景気が引き続き回復しており、その影響で失業問題も改善されつつあること、経済全体が回復傾向にあることが原因だと見ている。
—————————————————————————————–2017年の実質賃金、過去最高の4万7,271台湾元に【Taiwan Today:2018年2月27日】
主計総処は26日、2017年12月及び通年の工業及びサービス業分野の賃金及び労働生産性に関する統計結果を発表した。それによると2017年12月の、中華民国国籍及び外国籍を含めたフルタイム及びパートタイムの被雇用者全体の1人当たり名目賃金(経常性賃金と非経常性賃金の合計)は平均4万9,083台湾元(約17万9,500日本円)で、前年同月比2.84%増加した。また、2017年11月と比べると8.75%の増加となった。そのうち経常性賃金は4万557台湾元(約14万8,000日本円)で、前月比0.84%増加、前年同月比2.08%の増加となった。
12月の被雇用者全体の1人当たり名目賃金が2.84%増えたのは、一部の企業が早めに「年終奨金」と呼ばれるボーナスや、業績に応じた特別賞与を支給したため。
2017年通年で見ると、被雇用者全体の経常性賃金は平均3万9,953台湾元(約14万6,000日本円)で、前年比1.82%の増加となった。経常性賃金と非経常性賃金(年末賞与、特別賞与、残業手当等)を合計した1人当たり名目賃金は平均4万9,989元(18万2,800日本円)で、前年比2.46%増加した。
2017年通年の被雇用者全体の経常性賃金の増加幅1.82%は、2001年以来の最高。また、消費者物価指数の上昇0.62%を差し引くと、2017年の被雇用者全体の実質経常性賃金(固定給などからなる経常性賃金から物価変動の影響を差し引いたもの)は前年比1.20%の増加となった。2017年通年の実質賃金(経常性賃金と非経常性賃金を合計した名目賃金から物価変動の影響を差し引いたもの)は過去最高の平均4万7,271台湾元(約17万2,780日本円)で、同1.83%の増加となった。