湾と中国の関係について「両岸はともに一つの中国に属す」という定義を「問題ない」と
肯定し「台湾地区と中国大陸地区」の関係だと説明したという(中央通信社)。
この発言に見られるように、馬英九政権下では「一つの中国」を認める発言が相次ぎ、
中国傾斜が急速に進んでいる。しかし、大学生などの若い世代では逆に台湾主体意識が高
まっているというアンケート結果が発表された。
このアンケートはシンクタンク「21世紀基金会」が行った意識調査で、5月12日に発表、
中央通信社は「大学生の52.8%が『台湾と中国は別であり、従属関係にはない』と考えて
いることが分かった」「現代の若者の間で台湾主体意識が強まっていることの表れではな
いかと説明されている」と伝えている。
本誌ではこれまで、金車教育基金会が2年ごとに行っている大学生や専門学校生を対象に
した意識調査の結果も紹介してきているが、今回の調査結果は金車教育基金会の調査結果
とほとんど変っていない。
昨年11月に発表された金車教育基金会の意識調査では、「台湾に最も友好的な国はどこ
か」の回答では3回連続で日本がトップ(56%)、一方、「友好的でない国」は中国が4回
連続で断トツの87.9%。前回よりも5ポイント高くなっていた。
◆「台湾に最も友好的な国」は日本がトップ─金車教育基金会アンケート[2011/11/24] http://melma.com/backnumber_100557_5345772/
大学生の半数以上、「台湾と中国は別」
【中央通信社:2012年5月13日】
(台北 13日 中央社)シンクタンク「21世紀基金会」が12日発表した、若者を対象とし
た意識調査で、大学生の52.8%が「台湾と中国は別であり、従属関係にはない」と考えて
いることが分かった。
同調査は、1986年以後に生まれた26歳以下の大学生・高校生ら719人を対象に行われたも
ので、大学生以外も含めた回答者全体でも48.8%が「台湾と中国は別」と回答、現代の若
者の間で台湾主体意識が強まっていることの表れではないかと説明されている。
支持政党別に見ると、「台湾主体意識」を持つ若者の割合は、無党派層が52.5%、与党
国民党ないしその友党の支持層では20.3%と低めで、野党民進党ないしその友党の支持層
では79.8%と高くなっていた。
一方、台湾が公民投票などで独立や統一反対の意思を明確に示した場合でも、中国大陸
は台湾への武力行使の可能性を放棄しないと考えている回答者は78.9%に上り、また、仮
に両岸間で軍事衝突が発生した際には戦力に加わる決意があるかとの質問には、31.6%が
「ノー」と答えており、現代っ子の現実的な思考も垣間見えた。