月1日に台湾もWTOに加盟している。
その台湾が本年7月10日、ニュージーランドと自由貿易協定(FTA)となる経済協力協
定(ECA)を締結した。台湾はこれまで、パナマやグアテマラなど中南米の5カ国とFT
Aを結び、2010年6月には中国とも実質的なFTAである「経済協力枠組み協定(ECF
A)」を結んでいるが、国交のない国と締結するのは初めてだった。
台湾は2010年12月からシンガポールとも経済パートナー協定締結の交渉を進めており、
間もなく締結の見込みだが、インドとも経済協力協定を進めているそうだ。台湾の
「Radio Taiwan International」が伝えているので下記にご紹介したい。
台湾はニュージーランドとの経済協力協定でも2011年12月から共同研究をはじめ、1年半
後に締結に至っている。インドとの間でもそう遠くない時期に経済協力協定が締結できそ
うな見込みだ。
馬英九総統は就任早々から日本との自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)
締結を望む発言を繰り返しているが、8月末にも改めて締結に向けた意欲を表明している。
すでに日本との共同研究は終わっている。後は、中国の牽制をいかに抑えるか、日本政
府の意欲と締結時期の問題が残っているだけだ。シンガポールやインドとの経済協力協定
を経た時期が最良のタイミングかもしれない。
台湾とインドとのECA締結は双方に有利
【Radio Taiwan International:2013年9月2日】
台湾とインドとの経済協力協定の締結が、双方にとって共に有利だということが双方の
民間シンクタンクの研究で確認された。台湾は、インドと商品、サービス、投資、貿易、
及びその他の面で、経済協力協定を締結する可能性を探っている。双方の民間シンクタン
ク、台湾の中華経済研究院、及びインドの国際経済関係研究所(Indian Council for
Research on International Economic Relations, ICRIER)は、2011年にこのテー
マについて研究を始め、2日、インドの首都、ニューデリーで研究報告を発表した。
『インドと台湾との貿易、投資、及び協力関係を増進させよう』と題されたこの報告で
は、「研究を通じて次のことが分かった。つまり、台湾とインドが商品、サービス貿易、
投資、貿易手続きの簡素化などの議題において、関税の撤廃などを目的に、協定を締結す
るならば、両国が共に利益を得る可能性が非常に高い。これらの利益を得るには、両国は
国内で貿易と投資を促す、一連の改革策と措置を実施する必要がある。」と結論付けてい
る。
特に情報通信産業の面では、中華民国台湾とインドは、市場において補完関係にあるほ
か、多くの台湾企業関係者は、ビジネスチャンスを得るため、近年、対外貿易発展協会の
訪問団と共に南アジアを訪問している。
対外貿易発展協会市場開拓処アジア太平洋部の頼文毅・部長はインドとの協力関係につ
いて、「台湾のハードウエアの面での実力が非常に強い。インドはソフトウエアの面での
人材が多く、しかも給料がそれほど高くない。ソフトウエアの生産について言えば、イン
ドにはソフトウエアを大量生産している製造業はない。インドの最大の問題は、中国大陸
のように、多くの就職人口を収容できる大量生産の製造業はないことだ。そのため、イン
ドは、台湾のハードウエア産業と結合することを希望している。」と説明した。
対外貿易協会は、南アジアでの市場開拓に積極的に取り組んでいるほか、7年間連続で地
元で台湾工業展を開催、インドの業者の台湾での買いつけを誘致するよう努力している。