を通過したことを伝えたとき、2010年12月にシンガポールと交渉をはじめた「経済パート
ナー協定」(ASTEP)も交渉は終わっており、調印を待つばかりとなっていると述べ
たが、昨日(11月7日)午前、ようやくシンガポールとFTAを締結した。
調印式はシンガポールで行われ、台湾の謝発達・駐シンガポール代表とシンガポールの
ユー・ムンホー駐台代表が合意文書に署名した。
下記に朝日新聞の記事を紹介するが、台湾の報道によれば、台湾では今回の調印を突破
口に他の東南アジア諸国との協議も加速するのではないかと見られているという。
事実、「台湾はインドネシアやインドともFTA協議の前提となる研究作業を終えてお
り、早期の協議入りを急ぐ」(日経新聞)と報じられている。さらにEU(欧州連合)と
のFTA締結も進んでいるとも言われている。
馬英九総統はこれまで何度か、日本との経済関係を深めるため経済連携協定を締結した
いと表明している。一方の日本側も、安倍晋三総理が先般10月のアジア太平洋経済協力会
議(APEC)首脳会議のときに蕭万長・前副総統と会談した際、経済連携を強化してい
くことで一致したと報じられている。安倍総理が台湾との経済連携に踏み込んだのは初め
てのことで、いよいよ日台FTA締結が視野に入ってきた感が強い。
台湾、シンガポールとFTA協定締結 TPP加入に弾み
【朝日新聞:2013年11月7日】
【台北=鵜飼啓】台湾は7日、シンガポールと自由貿易協定(FTA)に当たる経済パー
トナーシップ協定を結んだ。台湾がこうした協定を結ぶのは東南アジアでは初めてで、目
標とする環太平洋経済連携協定(TPP)などへの加入に弾みになるとの期待感が出ている。
台湾が国交のない国とFTAを結ぶのは、ニュージーランドに次いで2国目。中国との関
係上、台湾は主立った国とFTAを結べずにいたが、馬英九(マーインチウ)政権下で対
中関係が改善。2010年には中台経済協力枠組み協定(ECFA)を結び、中国が台湾と他
国のFTAを容認するようになった。
今回の協定で、台湾は今後15年かけ、99・48%の物品の関税をゼロにする。関税がほと
んどないシンガポールは残された酒類の関税をゼロにする。台湾の経済部(経済省)が委
託した研究では、台湾にとって実質域内総生産(GDP)を約7億ドル(約690億円)押し
上げる効果がある。
馬政権はTPPや東アジア地域包括的経済連携(RCEP)加入を目指しており、林永
楽・外交部長(外相)は会見で「ニュージーランド、シンガポールとの協定で、有利な環
境が出来た」と語った。今後、インドネシアやフィリピンとの締結も模索するという。
一方、日台間では、さまざまな協定を積み重ねて経済交流を深める取り組みが進んでい
る。5日には、双方の窓口機関が電子商取引についてのルールを定める協定など5項目の取
り決めや覚書を結んだ。