中だった馬英九氏が捜査機密を江宜樺・行政院長に漏らしたという民進党関係者による告発を受
け、通信保障および監察法違反など機密漏洩の罪で起訴した。
台湾で総統経験者が起訴されるのは、李登輝氏(公金横領罪など=無罪確定)、陳水扁氏(収賄
罪など=有罪確定)に続いて3人目となる。
台湾メディアの台湾国際放送によれば、台北地検の張介欽・主任検察官は、捜査機密を知った馬
氏が「資料を閲読すると共に、報告書の重点に赤で線などを引き、その後、その概要を当時の行政
院長だった江宜樺氏、総統府副秘書長だった羅智強氏に伝えており、機密漏えいの事実は十分に明
らかだ」と指摘するとともに「馬英九・前総統は、司法と政治の枠を越えて罪を犯した」と述べて
いるという。
一方、起訴された馬英九氏は「当時、憲法で定められた元首の職権を執行したのであり、根本的
に犯罪に当たらない。裁判に口利きした人が罰せられず、口利きを処理した人が起訴されるという
のは、不合理だ」と述べているという。
馬氏は当時、政敵だった王金平氏の党籍を奪い、立法院長ポストも奪って失脚させ、政界から追
放しようと考え、検事総長から受けた捜査情報を漏らしたとされる。因果応報というか、悪事身に
返るの感をぬぐえない。下記に産経新聞の記事をご紹介したい。
台湾・馬英九前総統を秘密漏洩で在宅起訴 馬氏「法廷で争う」
【産経新聞:2017年3月14日】
【台北=田中靖人】台湾の台北地方法院検察署(地検)は14日、馬英九前総統が在任中の2013年
夏、検事総長から報告を受けた捜査情報を漏らしたとして、通信保障監察法違反(秘密漏洩)など
の疑いで在宅起訴した。総統経験者の起訴は3人目。
情報漏洩は当時の与党、中国国民党内で対立関係にあった王金平立法院長(国会議長に相当)の
失脚を狙ったもので、その後の政争は馬政権の低支持率が回復しない原因ともされた。
起訴状によると、馬氏は別の立法委員(国会議員)の捜査中、電話傍受で把握した王氏の司法干
渉疑惑に関する通話内容を検事総長から報告され、行政院長(首相)らに漏洩。検事総長を通じ通
話内容を公表させるなどした疑い。
国民党主席を兼任していた馬氏は公表を受けて王氏を批判、党籍を剥奪して比例区選出の王氏の
立法委員資格を失わせようと試みた。だが、王氏が地位確認訴訟を起こし失敗した。
当時の検事総長は15年2月に有罪判決が確定。地検は馬氏の総統退任後、捜査していた。馬氏は
14日、記者団に「一般的な公務の範囲内で犯罪ではない。最後まで法廷で争う」と述べた。
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