(ひろえだ・おとうえもん)の慰霊祭が開かれるということで、9月20日〜23日の「廣枝慰
霊祭と平渓線散策ツアー」(廣枝音右衛門顕彰会)を本誌でご案内 した。
一昨日の慰霊祭のその日、参加した本会会員から「劉維添(りゅう・いてん)さんが今
日の午前1時20分に亡くなられた」という急報が届いた。
昨年9月22日に行われた慰霊祭当日のときも、劉氏はその日の朝に心臓発作を起こし、や
むなく慰霊祭を欠席された。参加者一同が一命を取り止めた劉氏のご自宅にお見舞いに伺
うと、容態も落ち着いた劉氏がイスに座って廣枝をめぐる話をされ「来年は元気になって
慰霊祭で皆さんに直接お話ししたいと思います。ですから、どうか私を死なせないでくだ
さい」と言われたのが深く印象に残った。その1年後の慰霊祭当日、劉氏が身罷られた。な
んという巡り合わせだろう。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
1976(昭和51)年以来、毎年、廣枝に命を救われた台湾人の部下の方々が慰霊祭を執り
行ってきた。しかし、その部下の方々も次々と他界され、近年は劉維添氏一人で斎行され
ていた。それを知った台北在住の渡邊崇之(わたなべ・たかゆき)氏が感銘を受け、友愛
グループ(張文芳代表)や台湾歌壇(蔡焜燦代表)の方々などを誘い合って慰霊祭に参加
し続けている。本会のツアーでも何度か参加してきた。
渡邊氏は35歳だった6年前、当時、85歳だった劉氏に「劉さんの年になるまで廣枝音右衛
門の慰霊祭をやります」と約束したという。そして、劉氏の急逝を知らされた一昨日の慰
霊祭では、廣枝音右衛門の位牌に「これから45年、私が実施します」と誓われたと、参加
した本会会員からご連絡いただいた。
なお、昨年の慰霊祭の模様を本誌で紹介したことがあるが、廣枝音右衛門の事績などを
知っていただくためにも改めて下記にご紹介したい。
また、ノンフィクションライターの河添恵子(かわそえ・けいこ)さんがチャンネル
Ajerで手掛けるシリーズ「河添恵子が訊く」に、この9月17日、渡邊崇之氏が出演して廣枝
音右衛門の慰霊祭や潮音寺などについて話している。
◆『台湾に残る日本との絆?』渡邊崇之・河添恵子 AJER2013.9.17(1)
http://youtu.be/irXKJ1M1Kt0