今そこにある脅威を再認識した浅野和生先生講演会  佐藤 典子(秋田県支部長)

 講演会:教えて! 浅野先生─緊迫する東アジア情勢を学ぶ 会 場:秋田拠点センターアルヴェ 日 時:令和4年9月23日 13時45分より16時まで

 秋田県支部では、令和4年9月23日、平成国際大学副学長・浅野和生先生を講師にお招きし勉強会を開きました。

 コロナがなかなか落ち着かないので、人数を絞って、会員中心に参加者20人の小さい会でした。ただ非常に内容の濃い、充実した勉強会となりました。

 日本と台湾の友好にお力を尽くされた李登輝先生と安倍晋三先生への黙祷に続き、先生には、まず50年の「日中友好」の裏で日本と台湾がどういう関係にあったのか歴史的な流れを教えて頂きました。

 どうして“中国と国交を回復する=台湾と断交する”でなくてはいけなかったのか。その時どういう政治的な判断がなされてきたのか。蒋介石国民党の大陸への夢と面子が許さなかったとしても、そのとき「中華民国」として国連に残る選択はなかったのか?

 国際連合憲章にはいまだ「中華民国」であるのを「中華人民共和国」と読み替えただけのことなのに、中共の巨大化をなぜ許してしまったのか?

 当時、日本が敗戦国であり、発言権はなく、アメリカが対等と見なしていなかったとしても、歴史の変換点は何度かあったように思います。あるいはこれが歴史の必然だったのかも知れません。

 誕生したばかりの中共に対するアメリカはじめ自由主義諸国の、警戒心が薄かったのかとも思います。

 そうして50年、おもて上、国交断裂という状況の中で、民間レベルで結びつきを強めてきたこと、覚書という形で様々な約束がなされて来たこと、素晴らしいことだと思います。そして、日本李登輝友の会がその中の大切な役割を担っていること、誠に意義深いことと思います。

 もちろん、法律上もバックアップできるように、アメリカのように「台湾関係法」の成立が望まれるところです。提唱者のお一人である浅野先生はじめ日本李登輝友の会のご尽力が その実現に実を結ぶよう祈っています。

 そして最後に、日本─アメリカ─中国─台湾の現在地と未来への道筋を示して下さいました。

 安倍先生が説かれた「自由で開かれたインド太平洋構想」をアメリカはじめ自由主義国家が共有し、自由主義諸国が強力なパートナーシップをもって「できることからする」姿勢を日本政府が示していることも心強いと思いました。

 中身の濃いお話を90分いただき、そのあと質疑応答に入りました。

「アメリカとの意思疎通」「安倍先生がおられなくなった今日本はリーダーシップを発揮できるか」「言われているような中共の武力台湾侵攻はあるのか」「中共はウクライナでのロシア侵攻をみてどう思っているのか?」「台湾、尖閣が中共に帰属してしまったら、日本はどうなってしまうのか」

 などなどの質問に丁寧にお答え頂きました。

 コロナで内向きになっている私たちに、改めて、今そこにある脅威を再認識させて下さった120分、あっという間でした。

※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。


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