中国はなぜワクチン支援を断るのか  林 建良(「台湾の声」編集長)

【台湾の声:2022年12月27日】

 中国で一番ホットな話題はコロナ感染。

 中国のコロナ感染者数、中国政府公表によると12月は数千人程度。実際は何人ぐらいの感染者数が出ているか?

 12月23日付ブルームバーグが報道した中国国家衛生委員会の内部情報によると、中国1日の感染者数はおよそ3700万人。死亡者数は1日5000名を出しているが、中国政府が公表している致死率で計算すると、約8.8万人になるので、実際は多くの死者を日々出していると予想できる。

 そんな中国に外国がワクチンを提供しようと打診したが、中国は断った。なぜ断ったのか? 中国は面子を重んじる国、民族だから断った?

 実際そんなことはない。中国人は面子より実利を重視する。

 外国のワクチンを断った本当の4つの理由とは。

1.ワクチン・ナショナリズム  自国のワクチンと政治体制が外国より優勢であると中国国内向けに宣伝している。

2.軍の利権  武漢コロナの中国製ワクチンが2020年2月に開発された。これは軍関連の企業が開発した。中国国産のワクチン  は9種類。すべて軍関係。習近平にとっても軍の支持を獲得するのが最優先。

3.ワクチン外交  外国のワクチンを受け入れてしまうと、自国のワクチンが効かないという宣伝になってしまう。そうするとワ  クチン外交に影響する。

4.人口構造改造  18歳以上の最も貴重な労働力として活躍できる年齢層からワクチンを接種。60歳以上の高齢者は後回し。中国  の武漢コロナで亡くなった8割は60歳以上の高齢者。高齢者が亡くなれば、中国の人口構造が若返りする。

 習近平にとって、外国のワクチンを受けるも地獄、受けないも地獄。

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