中国の「禁書」 五輪開催国にそぐわない

【3月17日 産経新聞「主張」】

 日本で刊行された書籍が中国の税関で差し止められ、日本に返送される事態がこのと
ころ2件続いた。いずれも、中国の国内法令違反を理由にしている。北京五輪をひかえ
たこの時期に、言論・出版の自由に対する中国当局の硬直化した姿勢がまた表面化した
といえる。非常に残念である。

 上海の日本人学校が取り寄せた地理関係図書と、産経新聞が連載した「!)小平秘録」
をまとめた同名の単行本上巻(産経新聞出版発行、扶桑社発売)である。「!)小平秘録」
の方は、産経新聞社が関係者への寄贈用に送った50冊が日本に送り返され、4月刊行予
定の下巻も同様に禁輸になるという。

 「!)小平秘録」は、激しい権力抗争を生き抜いた!)小平氏(1904〜97年)の軌跡を追
跡したものだ。トウ氏を今日の中国発展の最大功労者と位置づける一方で、民主化を求
める市民らを武力弾圧した天安門事件(89年6月)についても、当然論及している。

 返送措置をとった北京税関が根拠とした「税関総署令」には「中国共産党を攻撃し、
中華人民共和国を誹謗(ひぼう)した刊行物は持ち込めない」とある。したがって、天
安門事件の処置はトウ氏の誤りとする「秘録」は、禁輸に該当するというわけだ。

 地理関係図書は、「尖閣諸島を日本の領土としている内容」が問題視された。上海市
政府は「中国領土の完全性を損なう出版物は許可しない」とする出版管理条例違反を根
拠にあげる。

 いずれも、過度の自己中心主義といわざるをえない。尖閣諸島は明治28(1895)年、
日本政府が日本の領土として閣議決定のうえ国際公告し、その後どの国からもクレーム
がつかなかった。中国が領有権を主張し始めたのは、近くに石油埋蔵の可能性が浮上し
た70年代初めから−という経緯がある。地理関係図書も、中国側が目くじらを立てるほ
ど日本側の主張を声高に強調した内容ではない。

 民主主義国家なら、自国に都合が悪いことが書かれているとの理由で禁輸にすること
はしない。外国で出版され、しかも限られた空間やわずかな部数しか流布しない出版物
にも独裁的な国内法令をあてはめる姿勢は孤立を招く。国際基準を旨とする五輪の開催
国にふさわしい柔軟な対応を望む。


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