中国が台湾の台湾国際放送を国際放送協会から締め出そうとして失敗

台湾の台湾国際放送(Radio Taiwan International)は中国や日本を含む海外に向け13言語で短
波ラジオ放送及びデジタルラジオ放送を行っている、国営放送局の財団法人中央広播電台(中央放
送局)が運営している。ロンドンに本部を置く国際放送協会(AIB)には1999年に加入加盟して
いる。

 この国際放送協会は1993年に設立されたテレビ、ラジオ、オンライン、モバイル向けの業界団体
で、英国のBBCやスカイ・ニュース、フランスのラジオ局フランス・アンテルナショナル、米国
のボイス・オブ・アメリカ、カタールのアルジャジーラ衛星テレビ局、ABU(アジア太平洋放送
連合)など世界主要国の国際放送が加盟しているという。

 しかし、中国の国営放送局である中国中央電視台は加盟していない。そこで、中国は6月に開催
した国際放送協会の年次総会の席で、中国が国際放送協会に加盟していないのは、台湾の台湾国際
放送(中央放送局)が加盟しているからだとして、台湾国際放送を同協会から追い出そうと企てた
ことが明るみに出た。

 当事者である台湾国際放送は、7月6日付の記事で下記のように伝えている。

<中国大陸の中央電視台がAIBに加わらないのは中央放送局が会員であるからだとして、AIB執行委
員会が中央放送局を退会させ、中央電視台を会員として迎えることを討論するよう暗に求めた。

 しかし、中央放送局は、「AIBは新会員の加入を理由に旧会員の基本的な権益を奪うべきではな
い」と主張、イギリス、フランス、ドイツ、ロシアなどの会員の支持を得て、会員資格を守ること
に成功した。>

 なんとも姑息なことをする中国だ。ともかく、台湾を国際機関から締め出したいという意図が見
え見えだ。

 衆知のように、蔡英文政権が昨年5月に発足してからは、その企てはますます露骨になってきて
いる。主なものだけでも、国際民間航空期間(ICAO)への不参加(2016年9月)、サントメ・
プリンシペとの断交(2016年12月)、WHA(世界保健機関の年次総会)への不参加(2017年5
月)、パナマ共和国との断交(2017年6月)などが挙げられる。

 そして、今度は台湾国際放送の締め出しを企てた。しかし、国際放送協会の年次総会では「中国
のメディアがAIB加入を希望するのであれば、規定の手続きを踏んで加入すれば良い」という発
言があり、出席者はすべて支持したという。それが常識であり良識というものだろう。台湾外交部
の広報誌「Taiwan Today」も、その詳細を伝えているので下記に紹介したい。

 ちなみに、本誌でもよく記事を紹介している台湾の中央通信社(The Central News Agency、略
称:中央社)は国営通信社。


国際放送協会、中国大陸の圧力に屈せず台湾を支持
【Taiwan Today:2017年7月7日】

 中華民国(台湾)の国家放送局である中央放送局(日本での名称は台湾国際放送、略称RTI)」
の李重志副総局長は6日、中国大陸が英ロンドンに本部を置く国際放送協会(AIB)に対し、中央放
送局の退会と引き換えに、中国大陸の国営放送局である中国中央電視台の加入を求めたことについ
て、今年6月に開催した年次総会では「当日欠席したブルームバーグテレビジョンの代表を除き、
他の出席者は全て中央放送局を支持する立場を表明した」ことを明らかにした。

 伝えられるところによると、中国大陸は、中国中央電視台がAIBに加入していないのは、台湾の
中央放送局が会員になっているからだとして、AIBに対して中央放送局の退会と引き換えに、中国
中央電視台を加入させることを年次総会の議題として取り扱うよう要求したという。

 李重志副総局長によると、中央放送局は6月20日の会議開始数時間前にこの消息を把握。しか
も、中国大陸側は、台湾とパナマ共和国の国交断絶(6月13日)を根拠に、中央放送局の退会と中
国中央電視台の加入を迫っていることを知った。中央放送局はこれを受けて早急に会議を開き、中
央放送局の立場と今後の方向性を確認し、関連の対策を講じたという。

 中国大陸側の訴えを知った中央放送局は、主に報道の自由と平等、真理の追究といった価値観を
前面に押し出し、政治的な論争を回避した上で、「AIBは新会員を加入させるために、既存の会員
の基本的権益を侵害、あるいははく奪すべきではない」と強調したという。

 中央放送局はこの会議で、中国大陸側の要求が話題となった際、「会議の内容が、我々の不本意
とする方向に進まないことを祈る」と率先して発言した。その結果、当日欠席したブルームバーグ
テレビジョンの代表を除き、他の出席者はすべて中央放送局を支持する立場を表明した。

 李重志副総局長が明らかにしたところによると、ある会員が会議で「中国大陸のメディアがAIB
加入を希望するのであれば、規定の手続きを踏んで加入すれば良い。台湾の中央放送局はこれまで
も数々の賞を受け、アフリカ・ブルキナファソなどの国々に放送局を設立したり、技術供与や関連
設備の修復に協力したりするなど多大な貢献をしてきた」と発言し、他の会員もすべて中央放送局
がAIBにとどまることを支持する発言を行った。

 AIBは世界各国のメディアの発展に協力することを目指す組織。多くの会員を抱え、その大部分
が主要諸国のメディア。中央放送局は1999年にAIBに加入。その経歴や立場から、AIBの中では一定
の影響力を有している。また、仏ラジオ・フランス・アンテルナショナル、米ボイス・オブ・アメ
リカなどに協力し、11月に英ロンドンで開催される会議に出席することになっている。


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