こんにちは、黄文雄です。
11月25日まで台湾に滞在していましたが、それに前後して、日本ではさまざまなことが
起こりました。
とくに、11月23日に中国が尖閣諸島を含む東シナ海上空に防空識別圏を設定したと発表
したことについては、台湾でも大きく報じられていました。
しかしその後、日米韓がそろってこれを非難し、当然のことですが、米軍も日本の自衛
隊も、そして中国との結びつきを強めている韓国も、中国に通告なしでこの領域に軍機を
飛ばしました。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131130/chn13113022000008-n1.htm
中国側は米軍に対しては「すべて把握している」とか、「スクランブル発進した」な
ど、虚勢を張ったコメントを出していますが、日本の小野寺防衛大臣は「中国側のスクラ
ンブル発進はなかったと認識している」と話しています。
そもそも、威勢のいい言動をしておきながら、強い相手が実力行使に出ると黙ってしま
うというのは、中国人の特徴でもあります。
文豪魯迅は「中国人は奴隷になりたがる」という言葉を残していますが、強い相手に妥
協するのは歴史的に染み付いた風習なのです。
日本の東洋史学の始祖ともいえる桑原隲蔵(じつぞう)は、そのものずばり「中国人の
妥協性と猜疑心」という論文を書いています(注・インターネット上の青空文庫でも見ら
れるそうです)。
たとえば、歴代中華王朝では、匪賊が暴れまわった際に、政府はこれを討つために軍隊
を派遣するものの、官吏や大将が匪賊と妥協して、金品や官位を与えて正面衝突を避け
る。妥協に誘うことを、招安あるいは招撫といい、この妥協に応じることを帰誠あるいは
帰順というのです。
だから中国では、古くから「欲得官殺人放火、受招安」(官吏になりたければ、派手に
殺人や放火を行い、その後に政府の招安を受けるべし)という言葉があるほどです。
このような性格ですから、逆もまた真です。相手が遠慮したり、弱気の態度を見せた
り、妥協する姿勢を示せば、どんどん踏み込んでくるのも中国人の特徴です。日本人的
な、「こちらが相手を思いやれば、相手も察してくれるだろう」といった考えは通じない
のです。
中国の動きには注意する必要がありますが、こうした中国人の性質を知っておくこと
も、いざというときに対処を間違えないために必要だと思います。
もうひとつ重要なニュースとして、NHKが4年前に放送した「JAPANデビュー」と
いう番組について、その内容で名誉が傷つけられたとして訴えていた台湾人への名誉毀損
が認められる判決が出ました。
2009年4月5日にNHKで放送された「JAPANデビュー」は、日本統治時代の台湾の
歴史を検証したものでしたが、その内容はひどいもので、台湾人の私から言わせれば、
「正しい事実はひとつもない」というものでした。
日本の統治を批判するために、台湾人の証言を歪曲し、「日台戦争」など、あたかも日
本と台湾が戦争したかのような表現を使用して事実を捏造し、徹底的に「日本が悪い」と
する内容でした。
あまりのひどさに、視聴者や識者、NHKの取材を受けた台湾人らまでが怒り、NHK
を相手に1万人を超える集団提訴を行ったのです。地裁では原告団は敗訴しましたが、今
回の高裁では勝利したのです。
番組では、1910年の日英博覧会において、日本が台湾の先住民族であるパイワン族の
人々に伝統的な踊りや模擬戦闘を行わせ、「人間動物園」として見世物にした、と悪意あ
る説明されていましたが、日本が「人間動物園」と称して彼らを展示した事実はなく、単
に日本を悪者にするための捏造だったのです。
これに対して、パイワン族の子孫が、博覧会への参加は民族の誇りであり、NHKによ
って都合良く編集され、先住民族が侮辱されたと提訴したわけですが、その主張が高裁に
よって認められたのです。
NHK側は、番組を作成するにあたり、台湾にある1万2000点におよぶ統治時代の資料を
検証したと主張していましたが、それも怪しいものです。これらの資料は、台湾南投県に
ある台湾省文献委員会に保管されており、私もここで文献をよく調査しましたが、明治時
代の公式文書ですから、非常に読みにくく、難解なのです。少なくとも一般の日本人には
訳文が必要となります。
そうした大量の文献を、いったい何人の何という専門家が検証したというのでしょうか。
言うまでもなく、台湾人には親日家が多く、東日本大震災の際に最も多額の募金を送っ
たのが台湾です。これに対して、多くの日本人からも感謝が寄せられました。
そうした親密な関係を壊して喜ぶのは誰か、考えなくてもわかるはずです。NHKの本
社ビルには中国中央電視台の支局があります。またNHKの職員には国籍条項がなく、中
国人や在日韓国人が多く働いているといいます。
「JAPANデビュー」が制作された裏に、そうしたことが関係していると考えるの
は、うがちすぎでしょうか?
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「私は神風の精神が滅びない限り、東アジアも決して滅びない、と自らに語った」(ビ
ルマ初代首相バー・モウ)
「特攻隊員たちは、千年の遠い過去から今日に、人間の偉大さというすでに忘れられてし
まったことの使命を、とり出して見せつけてくれたのである」(仏ジャーナリスト、ベル
ナール・ミロー)
世界が驚嘆し、称賛した特別攻撃隊。その崇高な精神は、やがてアジア解放へとつなが
り、世界を大きく変えていった。フィリピン人が建てた特攻隊記念碑、フランス文豪によ
る賛辞など、各国の反応を紹介しながら、若くして国のために散華した特攻隊員たちが後
世に遺したものを問う、感動の一冊です。
12月には百田尚樹氏の『永遠の0』が映画化され、特別攻撃隊についての関心が高まる
と思われます。
戦後これまで特攻は貶められ、「洗脳された若者による犬死」といった自虐的な解釈が
世の大勢を占めてきましたが、その愛国精神と自己犠牲の姿は、海外から高く評価されて
いるのです。日本の誇りと歴史を取り戻すためにも、その事実を知っていただきたいと思
います。ぜひご一読ください。