果たしてそうなのか
東京 S・K
「民進党が政権を取れなければ、台湾は中国に呑み込まれてしまう。」
「国民党政権になってしまうと、今までの独立運動が無に帰してしまう。」
そのような声が日本では大きかったので、私も今度の総統選が台湾の独立が成るか否
かの分水嶺と考えていた。しかしながら、雑誌「諸君!」に載った李登輝先生と深田祐
介氏の対談において、李登輝先生は謝長挺氏がぎりぎりまで追い上げた形で馬英九氏が
当選するのが望ましいという見解を披露されたのである。
これはいったいどういうことだろう。それなのに、選挙の2日前には「謝長廷氏に投
票する」と発表された。
しかし皆に、謝長廷氏への投票を強く呼びかけはしなかった。民進党でなければ……
という悲壮感を漂わせる周囲と、李登輝先生の見解との隔たりにとまどいながら、選挙
の日を迎えた。
結果は大差での馬氏の勝利。2chの掲示板では「これで台湾終わった」という言葉
が飛び交った。しかし、馬氏は勝利の翌日に「中国と対等の立場での対話」を求め、
「統一はしない」と重ねて明言したので、拍子抜けたような気分を味わった。
結局のところ、この総統選挙は「ブルーなら統一」「グリーンなら独立」という二者
択一ではなかったのであった。
楽観的すぎるかもしれないが、すでに統一か独立かが第一の問題にならないくらい、
台湾人意識が主流になっていると思いたい。そして、それに対する民進党の貢献は計り
知れないほど大きい。実際すでに台湾は、国際的承認が得られないだけで、独立した立
派な民主国家なのだ。
26日の李登輝先生のインタビュー記事(編集部注:3月26日付「産経新聞」李登輝前
総統インタビュー『中台統一』加速はない」)を読んでかなりの疑問が氷解した。「諸
君!」で語られていたことの理由がよくわかった。
李登輝先生は「馬英九氏が当選したら、台湾がすぐ統一されるのではないかと心配す
る。が、不勉強にもほどがある。」と一蹴されたが、不勉強というよりも、台独運動の
中で国民党の悪業を肌身に感じてきた人ほど国民党へのアレルギーが強く、それが「民
進党でなければ」、と目を曇らせていたように思える。
李登輝先生の見解では、謝長廷氏が追い上げて僅差で馬氏が勝利するのが最善のパタ
ーンだった。しかし、馬氏は僅差ではなく大差で勝利してしまった。そのことによる悪
影響に注意しなければならない。国民党の統一派をどこまで馬氏が押さえ込めるだろう
か。また、大敗した民進党はどうなっていくのだろうか? 李登輝先生は政界再編を視
野に入れていらしたようだが、それは可能なのか?
さしあたって、馬氏が李登輝先生を訪問したことには大きな安心感を持った。これこ
そ馬氏が台湾のための総統になろうとしている証と思える。李登輝先生には馬氏の手綱
をしっかりと握っていただきたいと願っている。馬氏がどのような政権運営をしていく
のか予断を許さないが、今後とも李登輝先生の意見を仰ぐという立場を守るならば、私
たち日本人も馬氏への眼差しを暖かいものに変えていくことだろう。
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