輝台湾前総統恩師柏祐賢の遺言』をご紹介しました。この「新刊紹介」は本会のホーム
ページにも掲載していますが、本日、その編著者の柏久氏から下記のようなお便りをい
ただきました。
内容から、このお便りに「李登輝前総統を京都大学にお迎えしたい」とタイトルを付
けました。
今回の訪日中に、李前総統は「京都にも行ってみたい」と洩らされたことがありまし
た。やはり、心残りだったのかもしれません。柏久氏は「どんなことがあろうと実現し
たい」と述べられています。李前総統はすでに満84歳ですが、「あと10年は大丈夫」と
おっしゃっています。成せるものなら成してみたいものです。
なお、柏久氏のホームページに『「生きる」ための往生−李登輝台湾前総統恩師柏祐
賢の遺言』の「あとがき」が掲載されましたので、明日、ご紹介します。 (編集部)
李登輝前総統を京都大学にお迎えしたい
京都大学地球環境学堂助教授 柏 久
人間には、やはり一目惚れというものがあるものですね。2004年の大晦日、私は李登
輝先生に一目惚れしました。
あの時の私には、李登輝先生について、父の教え子で偉くなられた方、という程度の
認識しかありませんでした。2年間の勉強により、一目惚れが単なる幻想ではないと思う
ようになりましたが、今年5月3日に台湾において6時間にわたりお話を聞かせていただき、
そしてその後、秋田と東京で講演を聴かせていただいたことによって、わたしの心は不
動のものとなりました。
追悼本『「生きる」ための往生』の「あとがき」に書きましたように、今や李登輝先
生は私の恩師です。
わたしは、京都大学の定年まで後2年半余りの歳となりました。無事定年を迎えられる
とすると、35年間、京都大学に勤めたことになります。京大で生活した月日は、学生時
代から数えれば40年を遙かに超えます。否、父の関係で、生まれたときから京大と共に
生きてきたと言っても良いと思います。当然に京大を愛しています。
その京大が、2004年大晦日に李登輝先生に対してとった態度は、人としての道から外
れた、恥ずべきものだったと私は思っています。覆水は盆には返りません。しかし、今
後の態度如何で汚名をそそぐことは出来ると思います。
私は、5月3日に李登輝先生を訪問した際、来年の京都訪問を約束していただきました。
その際、京大は君子の礼をもって、李登輝先生を迎えなければなりません。
様々な困難が予想されますが、どんなことがあろうと実現したいと思っていますし、
そのために私のすべてを捧げるつもりをしています。皆様のご支援を心からお願い申し
上げます。(7月15日)