日本は中国に台湾を返還していない。返還していたとするなら、日中共同声明のときど
うして中国は台湾を「神聖な領土の一部」だと日本に認めさせようとしたのか。台湾が中
国の領土ではないから、日本は中国の主張を「理解し、尊重」するとして決着したのでは
ないか。(4月9日)
◆中国(中華人民共和国)は台湾を「核心的利益」と言っています。台湾は「俺のもの」
だと言う中国のその主張を承認しなかったことも、確かに日本が台湾を「返還」してい
ない証左です。サンフランシスコ平和条約で台湾を放棄しているのだから、放棄した台
湾について口出しできないという事情もありますが、そもそも返還していないのだか
ら、中国の領土だと認めるわけにはいかないという意味合いもあったように読み取れま
す。
●思慮深い池田勇人発言
池田勇人氏の発言は非常に思慮があり注意深くなされていますね。それに比べて鳩山、
菅、野田氏達は、思いつき発言や、歴史を知らず発言、思慮不足発言、又、その場だけの
逃げ口上で終わっています。池田氏が普通で、今の政治家は狡猾だけが取り得の子供なの
でしょう。(4月9日)
◆下記に掲載の方が当時の議事録を調べていますが、慎重な表現ですが明確に台湾は中華
民国の領土ではないと答弁しています。当時、中華民国と国交を結んでいた時期で、や
はり今の首相とは格が違うような印象を持ちます。肚が据わっています。
●中華民国は台湾を「不法占拠」とまで述べていた池田首相
池田勇人首相の昭和39年2月29日の国会予算委員会の答弁とはいかなるものか、議事録を
読んでみた。貴誌で指摘しているように、「台湾帰属未定」という見解が当時の日本の政
府見解だったことを確認した。池田首相は社会党の岡田春夫氏の質問に対して「日本が放
棄してまだ帰属はきまっていない。しかし、カイロあるいは。ポツダム宣言によりまし
て、将来は中華民国の領土になるべきものだというふうな一応の観念は、あったかもわか
りません。しかし、そういう中華民国に帰るべきだというふうな気持ちはありましたでし
ょうが、法律的には帰っていない、こういうことでございます。だから、これは不法占拠
と申しますか、私は未確定の問題で、一応観念上あそこを支配しておるぞと、こう考えて
おります」と答弁し、「不法占拠」とまで述べて、台湾が中華民国の領土であることを明
確に否定している。つまりこれは、日本は中華民国に台湾を「返還」していないと受け取
らざるを得ない。
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/046/0514/04602290514017a.html
(4月11日)
◆議事録のURLまでつけていただきありがとうございました。質問者の岡田議員は当時
の日本政府の見解を確認する場面もあり、ぜひ皆様にもご覧いただければと思います。