【新刊紹介】岡崎久彦・渡辺利夫『中国は歴史に復讐される』(育鵬社)

中国は崩壊するのか。2人の碩学の結論は「チベット、新疆、内モンゴル、そして台
湾を独立させれば、中国は非常に安定した国になる」であり、それが中国に与えられる
最善の忠告だという。

 それはなぜか。中華人民共和国という帝国を維持するためのコストがかかりすぎるか
らだ。総面積の半分にもなるチベット自治区、新疆ウイグル自治区、内モンゴル自治区
を統治するために、厖大な政治的・軍事的エネルギーを注ぎ込まざるを得ず、本来、漢
族発展のために注ぎ込むべきはずのエネルギーがかなり削がれている。それが、清国の
版図をそのまま抱え込んで、帝国主義概念を導入したことによって生じた国家や国境の
概念に縛られ、朝貢国を自国の領土にしようとしている中華人民共和国の悲劇だという。

 もし中国が南シナ海と東シナ海の覇権を握り、台湾を統合し、第一列島線内を内海化
し、さらにハワイあたりからの東西をアメリカと分割支配に成功したとしても、そのこ
とが中国に凄まじいエネルギー消耗をもたらし、国力を弱め、中国文明は衰退に向かう
と指摘する。

 だから、今でもハングル語を主に中国語を従とするような高度な自治を与えている朝
鮮族自治区で比較的安定した統治を行っているように、冊封体制と華夷秩序という緩や
かな支配をよしとしていたころの考え方に戻らないと、歴史に復讐される、つまり崩壊
するだろうというのである。

 東アジア共同体構想の危険性、集団的自衛権が行使されなければならない真の理由な
どについても話し合われているが、第8章「台湾統合を目論む中国」では、渡辺氏が中
国は「台湾を統合してどうするのか、その後はどうなるのか」というこれまでほとんど
見られない角度からのテーマを提示し、もし台湾を統合したら「中国は歴史に逆襲され
る」と剔抉する。

 岡崎久彦氏の『台湾問題は日本問題』、渡辺利夫氏の『新脱亜論』も併せて読みたい、
中国・台湾問題を読み解く格好のテキストだ。             (編集部)

■著者:岡崎久彦(元駐タイ大使)、渡辺利夫(拓殖大学学長)
■書名:中国は歴史に復讐される
■体裁:四六判、並製、204頁
■発行:育鵬社 http://www.ikuhosha.co.jp/
■発売:扶桑社
■定価:1,260円(税込)


●平松茂雄・古澤忠彦『これではダメだ!日本の海洋戦略』お申し込みフォーム
 http://www.ritouki.jp/cgi-bin/enquete/form0031.reg

●李登輝元総統の思想の核心を明らかにした『李登輝の実践哲学』
 本会会員は特価(2,625円⇒2,000円)かつ送料無料で頒布!

・著者:井尻秀憲
・書名:李登輝の実践哲学−五十時間の対話
・版元:ミネルヴァ書房 http://www.minervashobo.co.jp/
・体裁:四六判、上製、268頁
・定価:2,625円(税込)
・発行:平成20年9月10日

 ■『李登輝の実践哲学』お申込みフォーム
  http://www.ritouki.jp:80/cgi-bin/enquete/form0028.reg

●日本李登輝友の会へのご入会−入会申し込みフォームをお使いください
 本会へのご入会申し込みフォームをホームページに設けています。これでお手軽にご
 入会申し込みができますのでご利用ください。

 ■ご入会申し込み http://www.ritouki.jp/cgi-bin/enquete/form0005.reg

●本誌が届かなくなった方は【解除→再登録】の手続きを
 本誌がいつの間にか届かなくなっていたという方が少なくありません。通常は週に3
 回以上発行しています。購読を解除したわけでもないのに届かなくなったという場合
 は、いったん購読を解除し、それから再登録をお願いします。

1)解除手続き http://melma.com/contents/taikai/
  「メールマガジン日台共栄」のマガジンIDは「00100557」
2)メルマ!事務局から「メールマガジン解除完了のお知らせ」が届く。
3)本会ホームページのメールマガジン欄「購読お申し込み」から申し込む。
  ホームページ:http://www.ritouki.jp/
4)メルマ!事務局から本登録を完了させる「メールマガジン登録のご確認」が届く。
5)本登録。
6)メルマ!事務局から「メールマガジン登録完了のお知らせ」が届いて完了!


日本の「生命線」台湾との交流活動や他では知りえない台湾情報を、日本李登輝友の会
の活動情報とともに配信するメールマガジン。
●マガジン名:メルマガ「日台共栄」
●発   行:日本李登輝友の会(小田村四郎会長)
●編集発行人:柚原正敬




投稿日

カテゴリー:

投稿者: