【外登証正名】台湾正名が日本を救う [台湾正名推進本部長 永山 英樹]

平成二十一年一月一日

台湾正名が日本を救う−「台湾は中国の一部ではない」を国民常識に

                日本李登輝友の会・台湾正名推進本部長 永山 英樹

 新たな年を迎えて思うのは、ますます強化一方の中国の勢力伸張の動きであるが、我が
国で中国脅威論は盛んに語られても、その軍事的脅威がどこから我が国へ「やって来るか」
についてはあまり語られていない。

 それは東支那海(尖閣諸島を含む)からなのか、それとも中国に併呑後の台湾からなの
か…。いずれにせよ日本がそれに直接晒されるときは、台湾が軍事攻撃を受けたときか、
中国の影響下に転げ落ちたとき。つまり中国の海洋への膨張を食い止めてきた「砦」であ
る台湾が、砦としての機能を喪失したときであると予測するべきである。

 今日の国際社会における理念に照らしても、中国の台湾併呑は断じて許されることのな
い対外侵略である。ところが中国はこの侵略行為を「台湾は中国の一部」と言う宣伝で正
当化し、国際的非難を回避することに成功しているのである。

 一例を挙げよう。昨年三月に行われた台湾の国連加盟を巡る国民投票は、台湾海峡の緊
張を高めるとの理由で、我が国を含む世界の国々から反対の圧力を受けた。これが台湾側
の「台湾は中国に属さない独立国家。その主権は二千三百万人の台湾人に帰属する」との
真実を世界に訴える起死回生の政策であったにも拘らずにだ。

 各国が本来非難するべきだったのは、武力を行使してでも国民投票の実施を阻止しよう
とした中国の侵略的姿勢であったはずであるが、結局は「台湾は中国の一部」の宣伝を真
に受け、あるいはそれに騙されたふりをし、何の罪なき台湾を見捨て、中国の野心を励ま
してしまったのだった。

 だが本当に「台湾は中国の一部」だろうか。中国は、日本が第二次大戦後、台湾を中国
に返還(割譲)したため、「一部」になったと主張する。しかし日本は台湾を放棄はして
も、そこの国にも割譲はしていないのである(サンフランシスコ講話条約)。つまり台湾
は「中国の一部」ではないのだ。そしてその主権は台湾人に属しているのである。

 もし台湾が中国の手に落ちれば、二千三百万人の台湾人が国家を喪失するだけではない。
日本人もまた、中国の不沈空母と化した台湾によって、我が国へのエネルギー供給を支え
る海上輸送路は完全に扼され、主権は大きく制限され、その属国支配を受けることとなる
だろう。

 たとえば中国に「海上封鎖」をわずかでも仄めかされるだけで、我が国は手も足も出な
くなる。その結果、歴史教科書が中国の指示通りに書き換えられることになるだけでなく、
行政も司法も立法も、中国の意向を無視できなくなる。日米同盟を解消せよと言われれば、
そうせざるを得なくなるだろう。

 そうなればこの局面を打開する道は唯一つ。かつてABCD包囲網を打破するため、一
か八かの開戦に踏み切ったように、戦争以外になくなるのだが、日本人は本当にそれでい
いのか。

 これを思えば日本人は、いつまでも「台湾は中国の一部」なる宣伝に騙されているわけ
には行かないはずである。「中国の一部ではない」「台湾は台湾だ」を国民の常識にし、
国を挙げて中国の台湾併呑の動きに反対するまでにならなければ、とても国など守れない
のである。

 現在、我々が取り組んでいる法務省の外国人登録における在日台湾人への「中国」国籍
押し付け反対の運動も、決して台湾人の尊厳・人権だけの問題ではないのである。「中国
の宣伝に政府が騙されたふりをする、そしてそのため国民が宣伝に騙される」と言った国
内の危機的状況を突破するための救国運動でもあるのだ。

 「台湾正名」、つまり台湾の名を「中国」から「台湾」へと正すことは、日本人に刷り
込まれた中国の宣伝の根幹からの否定を意味する。そこで本年は増大化する中国の脅威を
前に、この台湾正名運動の更なる拡大を期して行きたい。

 心ある方々のご支持、ご支援を仰ぎたく、あるいは全国各地で同様の運動を推進してい
ただきたく願う次第である。



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