この7月9日から、外国人登録証明書に代わって、在日外国人に在留カードが交付される
ことになり、台湾人の「国籍・地域」欄には「台湾」と記載されるようになった。2009年
に制定された法律が目に見える形で私たちの手元に届いたわけである。
2001年6月に林建良氏(当時の在日台湾同郷会会長)が在日台湾人の外国人登録証明書の
国籍記載を「中国」から「台湾」に改めることを求めて「正名運動プロジェクトチーム」
を発足させてから11年、多くの方々の努力が実った。
この運動が成功したのは、特に日本李登輝友の会と台湾研究フォーラムのメンバーの
方々の地道な努力のお蔭である。一台湾人として、心から感謝申し上げたいと思う。
台湾人の国籍を「台湾」と記すというごくごく当たり前のことを、長年、日本政府は認
めなかった。中国を怒らせないためには、台湾人を怒らせてもかまわないという姿勢であ
った。
中国は何の根拠もなく、「台湾は中国の領土の一部である」と主張し、その横暴さによ
って、台湾人は国際社会に存在を認められず、日本においても、「中国」と一括りにされ
るという屈辱を味わってきたのである。
今回、努力の結果、在留カードに晴れて「台湾」と記載されたことは、小さな二文字で
はあるが、大きな一歩である。この運動は一方で、台湾人に自分たちのアイデンティティ
を「台湾」と認識することを促す運動でもあった。
「台湾は台湾である、中国ではない」という真実を、さらに国際社会に認めてもらえる
よう運動を続けていきたいと思う。今回の成果は、私達を勇気づける一里塚である。