『日台の架け橋』がもたらした不思議な出会い  喜早 天海

昨年11月、台湾・台中にお住まいで、「日本と台湾の架け橋になる会」世話人の喜早天海(きそ
う・たかひろ)氏が編纂・執筆の『日台の架け橋』を本会でもご案内しています。台湾のことをよ
く知っているという方にも、あまり知られていないことがたくさん書かれていると好評です。

 喜早氏が発行する「メルマガ『遥かなり台湾』」で、この本に寄せられた感動的なお手紙やエピ
ソードを2回に分けて紹介しています。

 ここでは、2回目の方をご紹介します。本を出版するといろいろなエピソードが生まれます。中
でも、時間を超えて人と人が巡り合うという「神様のお導き」としか言いようがない場合もあり、
喜早氏が伝えるエピソードには心を揺り動かされました。

 なお、掲載にあたっては、タイトルを文意に沿って『日台の架け橋』から「『日台の架け橋』が
もたらした不思議な出会い」と変え、小見出しを付し、読みやすさを考慮して手を加えさせていた
だいたことをお断りします。


日台の架け橋』(下) 喜早 天海
【メルマガ「遥かなり台湾」:2014年6月21日】

◆廣江先生の命日に届けられた『台湾見聞録』

 自分で本を出すと思いがけない出会いや筋書きのないドラマの一端を見せてくれるような気がし
ます。1998年の一番最初の本『台湾見聞録』を出した時には次のような信じられないことがありま
した。

 それは、「恩師からの手紙」というタイトルで紹介した、戦前、南投県埔里にある公学校の先生
だった方が戦後20年ぶりに埔里に帰ってきたときの様子を、帰国後、教え子さんたちに記した手紙
のことです。

 差出人の住所を見て、出来上がったばかりの本を先生に贈呈したいとの手紙を出したのですが、
全然音沙汰なく、あきらめかけていました。

 すると、『見聞録』を発行した翌年(1999年)夏のある日、姉から連絡が入ったのです。「捜し
求めていた廣江先生の消息がわかったわよ。息子さんから手紙がきたのよ。」(注:手紙は姉に依
頼して出してもらったので、連絡先は姉の所にしていたのです)

「なんて書いてあった?」

「息子さん夫婦はね、お父さんの住んでいた家と同じ市内に住んでいて、お父さんはすでに亡く
なっていて、そのお家には誰も住んでいないんだって。先日、お父さんの法事が近々あるのでその
空家に行ったらね、偶然、郵便受けにある手紙を読んであなたの本のことを知ったという訳なの
よ。それで、その本を送ってもらいたいって書いてあるわよ」

「いいよ」

「じゃ、何冊送ればいいの?」

「そうだなあ。1冊では少ないし、10冊じゃ多すぎるし、5冊送ったら?」

 すると、数日後、姉から興奮気味の電話が入ったのです。

「この前あなたから頼まれて送った本が届いたんだって。何でも先生の命日の日に、しかも先生の
子供さん達5人集まって法事をしている時に、人数分の本が届き驚いたって言ってたわ」

 この話を聞いてボクもビックリ仰天! 廣江先生の命日がいつかも知らず、かつ先生のご子息さ
んたちが何人いるか知る由もなく、ただ適当な数量を姉に言って頼んだだけなのに。こんなことっ
てありえる? 本当に不思議な因縁を覚えずにはいられませんでした。

 姉からの吉報の電話が入ってしばらくした後、廣江先生のご子息の方から次のようなご丁寧な礼
状が寄せられたのです。

<はじめまして。過日は大変ご立派なご本を恵贈賜わり有難うございました。まずは御礼を申し上
げます。(中略)

 父は生前台湾から手紙が届きますと、よく私のところへ持ってきまして、「どうだ、立派なもの
だろう。今の若い人には、こんな手紙は書けないよ」と教え子の皆さんの自慢をしておりました。
ほんとうに、立派な、正しい日本語の書簡文で、感心して読ませて頂いたものでした。(中略)

 ご本は奥秋様(注:ぼくの姉のこと)から5冊お送りいただきましたが、奇しくも、父の命日
に、7月17日に宅配便届けられて、なにか因縁のようなものを感じ、感無量なものがありました。

 早速、父の霊前に供えさせていただきました。又、兄弟5人なので、7回忌の法事に帰っておりま
した兄弟たちに1冊ずつ渡したところ大変感動して、皆読みふけっておりました。

 このような機会を作ってくださいました皆様に改めて御礼を申し上げます。(後略)>

 そのご子息の廣江満さんとは、いまだに対面していませんが、快く私達の台日交流聯誼会に参加
いただき、かつ今ではメールや年賀状のやりとりする間柄になりました。まさに『台湾見聞録』が
縁結びの役割を果たしてくれたのです。

◆『日台の架け橋』がきっかけとなって

 今回の『日台の架け橋』の本もまた予期せぬ出会いをもたらしてくれたのです。それは新社公学
校の新屋先生と教え子の交流(第5章)を知り、もう亡くなられた先生の遺族の方に送り、ご霊前
にでもと思い、先生の故郷である鹿児島に本を送ってみたのです。

 もちろん先生の住所などわかりませんから、とりあえず鹿児島の教育委員会あてに手紙を添えて
送ったのです。すると、本は鹿児島から先生の奥さんが今住んでいる山口に転送され、それが教え
子である紫微さんの住む豊原(台中市)とリレーされてきたのです。それも偶然にも、山岡先生の
慰霊祭の前日に紫微さんから電話が入ってわかったのです。それで、山岡先生の慰霊祭に誘って一
緒に参加することになりました。

 また、ほかに一緒に同行した埔里に住んでいる山内さんという方とも『架け橋』の本を通して知
り合ったばかりで、紫微さん、山内さんのお2人とは正に本がキッカケとなって結び付けてくれた
のでした。

 考えてみれば、新屋先生と教え子さんの交流を知るきっかけとなった冊子本は、山岡先生の記念
碑を探しあてた時であり、今回の慰霊祭に参加して、2人との不思議な出会いは、山岡先生の霊に
引き寄せられたようであり、本を媒体にして知り合えたような気がします。

 本を出すとお金では買えない宝物を与えてくれます。それは、前述のようなドラマだったり、素
晴らしい人との出会いだったり、将来へのよき思い出だったりする心の財産ともいえるものなので
す。

 今回、日本で印刷発刊でき、かつよき協力者に恵まれたのも、これまでの出会いがもたらしてく
れたものであり、貴重な経験をさせていただいたと感謝している次第です。


【日本李登輝友の会:取り扱い本・DVDなど】 内容紹介 ⇒ http://www.ritouki.jp/

*本会ご案内の書籍等は、4月1日発送分から消費税8%に対応する価格(送料を含む)となってい
 ます。5月1日から消費税対応価格の台湾食品をご案内しております。

*ご案内の詳細は本会ホームページをご覧ください。

● 2014年・台湾アップルマンゴーお申し込み 【締切:7月22日】
PC用 : https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/j1nloiu8pdbz
携帯用 : https://mailform.mface.jp/m/frms/ritoukijapan/j1nloiu8pdbz

●美味しい台湾産食品お申し込みフォーム【随時受付】
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/nbd1foecagex 【PC用】
https://mailform.mface.jp/m/frms/ritoukijapan/nbd1foecagex【携帯用】

※現在、パイナップルケーキは在庫切れです。7月上旬に入荷予定です。

・台湾産天然カラスミセット 4,160円+送料700円(共に税込、冷蔵便)
 *同一先へお届けの場合、10枚まで700円
・パイナップルケーキ 2,480円+送料600円(共に税込、常温便)
 *同一先へお届けの場合、10箱まで600円
・台湾飲茶セット 3,620円+送料700円(共に税込、冷凍便)
 *同一先へお届けの場合、2セットまで700円

●書籍お申し込みフォーム
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/uzypfmwvv2px 【PC用】
https://mailform.mface.jp/m/frms/ritoukijapan/uzypfmwvv2px【携帯用】

・李登輝『李登輝より日本へ 贈る言葉』 *new
・浅野和生著『親台論─日本と台湾を結ぶ心の絆』
・江畑哲男・台湾川柳会編『近くて近い台湾と日本─日台交流川柳句集
・宗像隆幸・趙天徳編訳『台湾独立建国運動の指導者 黄昭堂
・小林正成著『台湾よ、ありがとう(多謝!台湾)
・喜早天海編著『日台の架け橋
・李登輝元総統対談掲載の月刊「MOKU」2013年9月号
・荘進源著『台湾の環境行政を切り開いた元日本人
・石川公弘著『二つの祖国を生きた台湾少年工
・林建良著『中国ガン─台湾人医師の処方箋』
・盧千恵著『フォルモサ便り』(日文・漢文併載)
・廖継思著『いつも一年生』
・黄文雄著『哲人政治家 李登輝の原点
・井尻秀憲著『李登輝の実践哲学−50時間の対話
・李筱峰著・蕭錦文訳『二二八事件の真相』

● 台湾・友愛グループ『友愛』お申し込みフォーム
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/hevw09gfk1vr 【PC用】
https://mailform.mface.jp/m/frms/ritoukijapan/hevw09gfk1vr【携帯用】

●映画DVDお申し込みフォーム
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/0uhrwefal5za 【PC用】
https://mailform.mface.jp/m/frms/ritoukijapan/0uhrwefal5za【携帯用】

・『台湾アイデンティティー
・『台湾アイデンティティー』+『台湾人生』ツインパック
・『セデック・バレ』(豪華版)
・『セデック・バレ』(通常版)
・『海角七号 君想う、国境の南
・『台湾人生
・『跳舞時代』
・『父の初七日』

●講演会DVDお申し込みフォーム
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/fmj997u85wa3 【PC用】
https://mailform.mface.jp/m/frms/ritoukijapan/fmj997u85wa3【携帯用】

・片倉佳史先生講演録「今こそ考えたい、日本と台湾の絆」(2013年12月23日)*new
・渡部昇一先生講演録「集団的自衛権の確立と台湾」(2013年3月24日)
・野口健先生講演録「台湾からの再出発」(2010年12月23日)
・許世楷駐日代表ご夫妻送別会(2008年6月1日)
・2007年 李登輝前総統来日特集「奥の細道」探訪の旅(2007年5月30日〜6月10日)
・2004年 李登輝前総統来日特集(2004年12月27日〜2005年1月2日)
・許世楷先生講演録「台湾の現状と日台関係の展望」(2005年4月3日)
・盧千恵先生講演録「私と世界人権宣言─深い日本との関わり」(2004年12月23日)
・許世楷新駐日代表歓迎会(2004年7月18日)
・平成15年 日台共栄の夕べ(2003年11月30日)
・中嶋嶺雄先生講演録「台湾の将来と日本」(2003年6月1日)
・日本李登輝友の会設立総会(2002年12月15日)

●「台湾フルーツビール・台湾ビール(金牌・瓶)」ご案内
http://www.ritouki.jp/news/distribution/2013-taiwanbeer.htm


◆日本李登輝友の会「入会のご案内」

入会案内 http://www.ritouki.jp/guidance.html

入会お申し込み【PC用】https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/4pew5sg3br46
入会お申し込み【携帯用】https://mailform.mface.jp/m/frms/ritoukijapan/4pew5sg3br46


◆メールマガジン日台共栄

日本の「生命線」台湾との交流活動や他では知りえない台湾情報を、日本李登輝友の会の活動情報
とともに配信する、日本李登輝友の会の公式メルマガ。

●発 行:
日本李登輝友の会(小田村四郎会長)
〒113-0033 東京都文京区本郷2-36-9 西ビル2A
TEL:03-3868-2111 FAX:03-3868-2101
E-mail:info@ritouki.jp
ホームページ:http://www.ritouki.jp/
Facebook:http://goo.gl/qQUX1

●事務局:
午前10時〜午後6時(土・日・祝日は休み)

●振込先:

銀行口座
みずほ銀行 本郷支店 普通 2750564
日本李登輝友の会 事務局長 柚原正敬
(ニホンリトウキトモノカイ ジムキョクチョウ ユハラマサタカ)

郵便振替口座
加入者名:日本李登輝友の会(ニホンリトウキトモノカイ)
口座番号:0110−4−609117

郵便貯金口座
記号−番号:10180−95214171
加入者名:日本李登輝友の会(ニホンリトウキトモノカイ)

ゆうちょ銀行
加入者名:日本李登輝友の会 (ニホンリトウキトモノカイ)
店名:〇一八 店番:018 普通預金:9521417
*他の銀行やインターネットからのお振り込みもできます。



投稿日

カテゴリー:

投稿者: