小林よしのり氏が自著の「台湾返還」記述を誤記と認めて訂正

小林よしのり氏が自著の「台湾返還」記述を誤記と認めて訂正
漫画家の小林よしのり氏が自著にあった「台湾返還」記述の誤記を認め、訂正に応じた。
まず、これまでの経緯を説明したい。

 10月下旬、神奈川県内にお住まいの本会会員から、小林よしのり氏が今年の5月に飛鳥新
社から出版した対談集『新日本人に訊け!』(石平、呉善花、鄭大均、ペマ・ギャルポ、
ビル・トッテン、金美齢など日本に帰化した方々との対談)の中に、「日本統治時代」の
説明で「……近代化に努めたが、第二次世界大戦の敗北により、蒋介石率いる中華民国(国
民党政府)に返還」と記していることをお知らせいただいた。

 この本は未見だったので早速入手して確認してみると、266ページから267ページにかけ
ての「日本統治時代」の脚注に、その記述はあった。だが、この脚注を執筆したのは誰な
のかの説明はない。となると、執筆責任はこの本の著作権者である小林氏となる。

 そこで本会は、小林氏に「日本は昭和26(1951)年に署名したサンフランシスコ平和条
約で台湾や澎湖島を放棄しますが、それ以前の昭和20(1945)年に台湾を中華民国に返還
していたなら、なぜ放棄できたのかを説明できなくなります。ご検討いただきたい」と誤
記の訂正を求めた。

 すると、小林氏はあっさりと誤記を認め、版元の飛鳥新社編集部を通じ、訂正文を送っ
てきた。間違いを間違いと潔く認めるのは、さすが小林よしのり氏だ。

 ただし、この「台湾返還」問題は、台湾史においても日本史においても、歴史事実に関
する重要なポイントであり、文科省の検定で合格している中学校の地図帳でも「1945 中
国に返還」と記述されていて、これでは日台間の将来を担う中学生に誤った知識を与えて
しまうので、この問題は国会でも取り上げられることになっていることなどを記し、飛鳥
新社の担当編集者に対してホームページで経緯を掲載して欲しいと依頼した。

 11月9日、飛鳥新社の担当編集者から文書で、重版のときには必ず訂正するが、ホームペ
ージ掲載は容赦して欲しい旨の日付の入っていない回答をいただいた。下記にその全文を
紹介したい。

 この回答には、掲載できない理由として「対外的に事後検閲を受け入れる会社だ」とか
「貴会の活動にも好ましくない」などと記している。しかし、いったい「事後検閲」とは
どういうことだろう。

 書籍では、どれほど校正や校閲をしても、誤植を含め事実関係の誤記などは避けられな
い。特に初版一刷では避けられない。だから、読者からよく指摘され、それを初版二刷や
再版という重版時に訂正していくというのが普通だ。そうやって読者とともに完璧な本に
仕上げていく。

 しかし、読者(本会)から指摘されたことをもって「事後検閲」とは、いったいどうい
うことなのだろう。なんとも不可思議な表現だ。それ以上に、指摘した読者(本会)の「活
動にも好ましくない」という理由は、まったく理解できない。異様とさえ言える。

 そこで、担当編集者と電話で話をしたが、読者からの指摘は重版時に訂正するというこ
とになっている、訂正した重版本を送るからと繰り返す。また、この回答は小林氏の了承
を得ているとも言う。なんとも得心しかねたが、これ以上の談判は無理と判断、誤記を認
め訂正を約束したことを良しとして申し出を受け入れることにした。

 以上のような経緯だが、飛鳥新社からは「訂正の経緯につきまして日本李登輝友の会が
言及する機会を持たれることも、何ら妨げる考えはありません」というお墨付きをもらっ
ている。そこで、ここに経緯を記し、全文を公表した次第だ。

 小林よしのり氏も出版社の飛鳥新社も、日本が台湾を中国(中華民国)に返還したとす
るのは明らかに間違いであることを認めて訂正した。

 本会はこれまで台湾正名運動として、台湾出身者の国籍を中国(中華人民共和国)と表
記する外登証問題を手始めに、住民票問題や戸籍問題、地図問題などに取り組んできた。
このような記述があれば、ぜひご連絡いただきたい。一緒に間違いを正していきたい。

 最後になったが、小林よしのり氏の対談集『新日本人に訊け!』は、日本国籍を取得し
たとき、小林氏が「台湾への裏切り」と批判した金美齢さんとの対談も含め、台湾関係者
にとっても有益な対談集だ。ご一読をお勧めしたい。

◆『新日本人に訊け!』(飛鳥新社、2011年5月刊、1600円+税)
  http://www.asukashinsha.co.jp/book/b88513.html


「日本李登輝友の会」事務局長、柚原正敬様

2011年5月に小社より刊行された、小林よしのり先生の対談集『新日本人に訊け!』
の脚注の誤記をご指摘いただいた件で、ご連絡申し上げます。

1.日本李登輝友の会のこれまでのご活動に敬意を表し、ご指摘を諒として、重版時に下
記のように訂正いたします。脚注は対談終了後、編集部でまとめたものであり、小林よし
のり先生はじめ、対談者の先生方にご迷惑をおかけいたしましたこと、深くお詫び申し上
げます。

○脚注・266〜7ページ「日本統治時代」

<修正前>
…第二次大戦の敗北により、蒋介石率いる中華民国(国民党政府)に返還。(後略)

<修正後>
…第二次大戦で敗北。蒋介石率いる中華民国(国民党政府)が支配し、日本はサンフラン
シスコ講和条約で台湾を放棄させられた。(文章終わり)

2.上記訂正の経緯につきまして、日本李登輝友の会が、知己の国会議員の方に対し、台
湾「返還」記述問題を国会質問で取り上げていただくために、弊社が自主的に訂正した旨、
本状をお示しの上でお知らせいただくことはかまいません。また、それ以外の場所で、訂
正の経緯につきまして日本李登輝友の会が言及する機会を持たれることも、何ら妨げる考
えはありません。

3.ただ、弊社HP上で今回の経緯を発表することは、ご容赦いただきたいと思います。
理由は、1)弊社からこの事実を積極的に喧伝することは、対外的に事後検閲を受け入れ
る会社だという誤解を与えかねない。2)上記の誤解を与えることは、貴会の活動にも好
ましくないのではないか、と拝察した結果です。

以上、ご理解をお願い致しますと共に、今後の貴会のますますのご発展をお祈り申し上げ
ます。

                              (株)飛鳥新社 出版部
        〒101-0051東京都千代田区神田神保町3-10 神田第3アメレックスビル2F
                       Tel:03-3263-7773 fax:03-3263-9641

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