栽培されているとは寡聞にして知らなかった。それも高品質のカカオだという。
台湾でカカオを栽培しているのは最南端の屏東県で、ここを訪れた日本屈指のショコラティエ
(チョコレート専門の菓子職人)として名を馳せているという土屋公二(つちや・こうじ)氏は
「屏東産カカオの品質は欧州やベトナムより優れている」と指摘。また「カカオの味はとても濃厚
で、果実も大きく、品質も非常に優れていることから、あとは、発酵と乾燥がうまくいけば、とて
も有望だ」と絶賛、折紙付きの期待感を示したという。
すでに農業委員会は「屏東を台湾チョコレート発展の主要地としていきたい」という意向を固め
たともいう。台湾外交部の「Taiwan Today」が伝えているので下記に紹介したい。
なお、台湾の紅茶といえば、「台湾紅茶の父」として今でも台湾の人々から敬愛されている新井
耕吉郎(あらい・こうきちろう)がいる。日月潭畔の魚池郷には今でも、新井が育てたお茶の木が
あり、許文龍氏が制作した新井の胸像も設置されている。
新井が開発した日月潭紅茶は、世界の紅茶愛好家から「台湾至宝の香り」と賞賛されていること
から、日本でも販売するところが出てきている。ライチやマンゴーのように、いずれ本会でも取り
扱いたいと思っています。
◆土屋公二(つちやこうじ) ミュゼ・ドゥ・ショコラ・テオブ [東京・富ヶ谷] http://patissier.cake100.net/23.html
屏東産カカオ、日本人ショコラティエも認める高品質
【Taiwan Today:2017年4月13日】
http://www.taiwanembassy.org/jp_ja/post/45671.html
写真:屏東県のカカオ農園を訪れた土屋公二シェフ(左)。呉献章さん(右)が手にしているのは
クリオロ種のカカオ
台湾最南端の屏東県では、地元の農家、邱銘松さんによって15年前からカカオの樹が導入され、
今ではその面積が300ヘクタール近くにも達した。現在、25のチョコレートブランドが開発されて
いる。また、屏東産カカオを使ったチョコレート製品の開発も手掛けるリゾートホテル「福湾荘
園」(屏東県)では、日本屈指のショコラティエ、土屋公二シェフを現地に招いて、台湾・日本間
のチョコレート交流も行った。
土屋シェフは1999年に東京渋谷区富ヶ谷にカフェ「ミュゼ ドゥ ショコラ テオブロマ」をオー
プン、日本にチョコレートブームを巻き起こした。土屋シェフは12日、屏東県内埔郷にある呉献章
さんのカカオ畑を見学した。そこで真っ白なカカオ豆を発見した土屋シェフは「これはクリオロ種
(CRIOLLO)と呼ばれるもので、今までに多くの国を訪れカカオ畑を見学したが、実際に見るのは
初めて」と語った。
カカオ豆は白ければ白いほど品質が優れていると言われ、土屋シェフは呉さんに、クリオロ種を
発見したら必ずしるしをつけてからそれを大量に栽培し、また、ほかの品種と交配させて屏東なら
ではの高品質のカカオを開発することをアドバイスしたという。
屏東に植えられているカカオの樹は千種以上にも及び、邱さんは導入当初、様々な品種を試験的
に植えてカカオの栽培促進に取り組んでいた。現地の栽培に適した品種があったら農家は早速その
栽培に取り掛かったという。呉さんは自分の農園にあるクリオロ種は邱さんのところからきたもの
で、カカオ畑にはこのようなクリオロ種のカカオの樹がどれぐらいあるかわからないと述べた。
福湾荘園のオーナーシェフ、許華仁さんは、「チョコレート業界では、クリオロ種は最高品種の
カカオ豆であることを誰もが知っている。また、とても希少で価値が高く、世界中で3〜5%しか生
産されていない。主に中央アメリカのベネズエラ、ペルーなど生産されている。呉さんの農園のク
リオロ種は、長年の試作を経て、すでに屏東県の気候や風土でも育つように順化した」と語った。
土屋シェフはさらに、屏東産のカカオの品質が欧州やベトナムより優れていると指摘した。台湾
のカカオの味はとても濃厚で、果実も大きく、品質も非常に優れていることから、あとは、発酵と
乾燥がうまくいけば、とても有望だと期待を示した。
行政院農業委員会(日本の農林水産省に相当)は、カカオ農園、チョコレート製造業者と協力し
て、屏東を台湾チョコレート発展の主要地としていきたい考えだ。