過度に依頼していた現象に別れを告げる」として新南向政策を採ると宣言し、現在、東南アジア、
南アジア、オーストラリア、ニュージーランドなどの国々と互恵互助の協力関係を強化しつつある。
台湾プラスチック(台湾塑膠工業)は昨年10月、中国では供給過剰が慢性化しているので中国依
存を大幅に引き下げ、インド、トルコ、インドネシア、ベトナムなど急成長を続ける国での販売に
力を注ぐと発表した。
また、同時期に、繊維大手の遠東新世紀が中国から生産拠点を多様化するにあたり、「「新しい
生産拠点をつくるにあたってベトナムほど適した市場は考えられない。ベトナムは安価で質の高い
労働力を提供してくれる」と、賃金や関税の低さからベトナムが最適の進出先だと表明した。
このような台湾企業の中国離れは止まらないようで、台湾製造業もまた中国から米国に生産拠点
を移行する傾向が強まっているという。下記に「大紀元」の記事をご紹介したい。
台湾製造業の生産拠点、中国から米国へ移行か
【大紀元:2017年3月3日】
台湾製造業の生産拠点が、中国から米国に移行する傾向が強まっている。米中両国間の貿易摩擦
によるダメージを避けるのが一因という見方がある。台湾の自由時報が報じた。
台湾製造業の主力は相手先ブランド名での受託生産が中心のエレクトロニクス産業(電子産業)
であり、その大部分が生産拠点を中国に置いている。伝えられるところによると、複数の業界大手
は米国での生産拡大に意欲をみせている。
スマートフォンや薄型テレビなどの電子機器受託生産の世界最大手、鴻海精密工業の郭台銘・理
事長は1月下旬、米国で初の工場を建設すると発表した。約70億ドル(約7980億円)の大型投資で
あり、昨年買収したシャープと共同で出資する。
iPhoneの製造業務の一部を請け負う和碩聯合科学技術の童子賢・理事長は、必要な場合は米国で
の生産能力を「3〜5倍に拡大する」と示した。
パソコン受託生産の世界大手、広達電脳(Quanta Computer)は今後3年間、米テネシー州とカリ
フォルニア州にある工場の生産能力・従業員数をともに倍増する計画だ。同社はアメリカのデル、
アップル、日本のソニー、東芝、富士通、シャープなどの製造も引き受けている。
電子産業だけではない。ナイキやアンダーアーマーなどの製造を受託する台湾のアパレル大手、
儒鴻企業(エクラ・テキスタイル)が中国での生産から撤退し、台湾本土への復帰、ベトナムへの
移転を加速している。トランプ政権が優遇政策を打ち出す場合、米国進出もありうると示唆した。
こうした中国離れ&米国進出の動きは、米中間貿易摩擦を想定した戦略転換ともいわれている。
トランプ米大統領は選挙中に中国を「為替操作国」と糾弾し、中国製品に最大35%の関税を課す
と発言した。最近になっても見方は変わっていないと述べたことから、米中の貿易摩擦の可能性が
高まっている。
中国が第1位、米国が第3位の輸出相手国である台湾にとって、この事態は対岸の火事ではない。
経済専門家は「中国から米国への生産シフトは、中国製品の高関税リスクを回避する得策だ」とみ
ている。
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