2016.7.24 産経ニュースより
昨年12月、台湾の台湾鉄路管理局(台北市)と友好鉄道協定を結んだ東武鉄道(同・東京都墨田区)。これまで特急「スペーシア」に共通デザイン記念エンブレムを掲出したり、台鉄との相互乗車券交流サービス、台北駅に東武鉄道PRコーナーを設置したりするなどの連携施策を行ってきた。その第2弾として6月から、東京(浅草)と群馬(館林、太田、赤城)、栃木(足利市)を結ぶ伊勢崎線特急「りょうもう」に、台鉄の自強号「普悠瑪(プユマ)」(特急に相当)のデザインに変更した1編成(6両)を投入した。
「りょうもう」の現行デザインは、白色のボディーに赤色のストライプで、きわめてシンプルだ。同じ東武特急で、浅草から日光などを結ぶ「スペーシア」に比べ、「りょうもう」は大企業の工場がある太田などビジネス需要が多い地を結ぶためか、地味な印象を受ける。
今回、取り入れた台鉄のデザインは、台鉄の英語略称TRAが先頭部分に大胆に描かれているのにならい、躍動感ある「Ryomo」の英文字が目立つ。
今年が申(さる)年にあたっていることから、普悠瑪(プユマ)号に使われる猿を「2016年」にデザイン化したマークも、りょうもうの1、6号車の左右1カ所ずつ、全体で4カ所掲げられる。
東武鉄道の広報部は「ビジネス利用客に新デザインは好評だ。台湾でも東武に親しみを持ってもらい、足利や館林など沿線各地に足を運んでもらいたい」とPRする。
台鉄との友好鉄道協定で、台湾からの訪日客の増加に力を入れる東武。平成27年の浅草駅の外国人旅行センター利用者数は、前年比40%以上に増加しており、その中でも台湾からが最多となっているという。
「猿」マークは今年12月31日まで、新デザインの車両は当面運行を続けるという。(前橋支局 谷内誠)