ひまわりのうた
梅森直之作
誰も気づかぬ小さな荒れ地に
ひとり咲く、大きなひまわりを見た
「何時こんなに育ったの?」
「僕はいつもここにいたよ」
「何処にそんな力があったの?」
「お日さまはいつも輝いていたよ」
旅人よ、行って伝えて
荒れ地に立つ、ひまわりの物語
潮風吹きつける瓦礫の丘に
茶色く、うなだれたひまわりを見た
「花の命は 短かったな!」
「上を向くことすら 叶わぬのか!」
冷笑者よ、気づかないのか
しおれた花がつけている、何千という実の重みを
旅人よ、行って伝えて
荒れ地に立つ、ひまわりのうた
太陽だけをまっすぐに見つめ
大きく開いた花の輝き
旅人よ、行って与えて
世の中の、凍える人たちに
黒い種がため込んだ
尽きぬ光のあたたかさ
2015.6.8 10:00