「台湾の声」
「中国共産党」と「中国国民党」との第8回国共フォーラムが中華人民共和国(中国)黒龍江省ハルビンで7月28日、29日に開催された。
この中で中国の賈慶林・全国政治協商会議主席が「大陸と台湾は同じ一つの国であり、“両岸”は国と国の関係ではない」と発言し、「両岸一国」論を展開した。
中国はこれまで台湾に「一つの中国」の受け入れを迫り、これに対して中国国民党の馬英九政権は、「一つの中国=中華民国」との独自の解釈を主張していた。しかし、今回の「両岸一国」論は、これまでの「両岸一中」論(両岸が一つの中国に属する)よりも踏み込んだ発言。
同会議に参加した呉伯雄・国民党名誉主席はその場で反論しなかったばかりか、29日の閉幕の際には、共産党と国民党が「両岸は同じ中華民族に属する」「両岸は国と国の関係ではない」「もともとは同じ家族であるという観念と中華民族の精神的アイデンティティーを増強する」などの共同建議を発表した。
これについて国民党の殷スポークスマンは、「国民党と馬総統の立場はまったく変わっていない。両岸は『1992年合意』を基礎として『一つに中国』の解釈を各自表明するものであり、『一つの中国=中華民国』とする(国民党の)立場は明確である」と釈明した。
台湾の野党の民主進歩党(民進党)は「国共(国民党と共産党)が手を組んで台湾を売ろうとしている」と批判。台湾団結連盟(台連)の黄昆輝主席も「『両岸が同じ一国』というのはつまり『両岸は同じ中華人民共和国に属する』ということで、これを黙認している馬英九総統が叛国罪にあたるのは明らかだ」と批判した。