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李登輝元総統が大腸癌の手術 術後は良好
11月1日の夕刻、3日から始まる16回目の「台湾李登輝学校研修団」の運営について、台
湾の群策会教育処の担当者と打ち合わせしていた。すると、最終日の7日に予定している李
登輝学校校長でもある李登輝元総統の特別講義はなくなり、代りに国立國史館元館長(大
臣に相当)で台湾史研究者の張炎憲博士の講義でよいかと言う。
李元総統の特別講義がなくなったとはどういうことかと尋ねると、担当者は口ごもりつ
つ入院したからだという。それで初めて李元総統が何らかの事情で入院したことが判った。
翌日午前2時くらいにTVBSがニュース速報で第1報を流し、蘋果日報や中央社なども
速報で伝えていた。そのニュースを見て、10月30日と31日の定期健診で大腸癌が発見され、
11且1日の夜7時ころから手術をしていたことが分かった。
振り返ってみれば、群策会教育処の担当者と打ち合わせしていたのはちょうど手術が始
まる直前だったようで、担当者が口ごもっていたことをようやく得心した次第だ。
幸い術後の経過は良好で転移の可能性も少なく、以前に手術した心臓にも問題はないと
のことでホッとしたが、10日間は安静にしていなければならないとも報じられていた。
つまり、7日の特別講義は無理ということで、台湾李登輝学校研修団の参加者には残念な
結果になった。しかし、李元総統自伝を4巻にまとめた張炎憲博士による代講もさることな
がら、「台湾歌壇」代表で李登輝民主協会理事長もつとめる蔡焜燦氏にもご講話いただく
こととなり、ダブルキャストで臨んでいただくという。
このような豪華な代講も、李登輝学校ならではの措置だ。有難いことである。後は李元
総統の無事の退院とご本復を祈るばかりだ。
下記に、日本語のニュースとしてはもっとも詳しく報じている共同通信記事を掲載した
「日刊スポーツ」の記事をご紹介したい。また、本誌読者からのお見舞いも届いているの
で「読者の声」で紹介したい。本誌ではお見舞いメッセージも受け付けています。
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李登輝氏が大腸がん手術 術後良好
【日刊スポーツ:2011年11月2日]
台湾の李登輝元総統(88)に大腸がんが見つかり、1日夜、台北栄民総医院で約2時間半
の手術を受け、大腸の一部を切除した。2日、同医院の医師が記者会見し、発表した。他の
器官へのがんの転移は見つかっていない。術後の経過は良好で、意識もしっかりしている
という。
医師によると、大腸の小腸に近い部分に約3・5センチの腫瘍が見つかった。このため1日
午後7時から手術を行い、腫瘍周辺の大腸の一部約30センチを切除した。大腸の約3分の2が
残っており問題はないという。
失血も少なく輸血の必要はなかった。経過は安定しているが、今後5日間ほどは面会謝絶
となる。
李元総統は1923年、日本統治下の台湾生まれ。43年京都帝大(現京都大)入学。台湾大
卒。88年、台湾で初の本省人(台湾出身者)総統となった。民主化改革を進め、96年3月に
初の直接選挙による総統選で当選、2000年5月に退任した。
自ら「22歳まで日本人だった」と話す親日家で、01年4月に心臓病治療目的で16年ぶりに
来日して以来、たびたび日本を訪れている。(共同)