日本李登輝友の会では昨年から、その事業のひとつに「日台相互交流の推進」を掲げ、
台湾の学術・文化団体との交流を推進し、台湾留学生などの受け入れと日本留学生などの
台湾における受け入れ体制を整備するほか、日台の自治体などによる姉妹提携や親善交流
をめざした活動の促進を図っています。
昨年の5月中旬、台湾人留学生に月額10万円の奨学金給付を制度化した岐阜県の財団法人
伊藤青少年育成奨学会(伊藤嬉美理事長)から、台湾のインフラ整備に役立てるため、岐
阜大学や名古屋大学など、近隣大学の理工系学部や大学院へ留学する学生を2名推薦して
欲しいとの依頼がありました。
そこで、伊藤青少年育成奨学会で何度か講演し、台湾人学生を対象の奨学金制度の提案
もされた金美齢・総統府前国策顧問とも相談し、李登輝前総統が校長をつとめられる台湾
の李登輝学校と提携し、李登輝学校で一次選考した学生を金美齢さんが直接面接して推薦
するシステムを作りました。
その第一号に選ばれたのが黄慈[女亭](こう じてい)さんです。今年の4月から岐
阜大学大学院地域科学研究科の研究生として学んでいます。1999年(平成11年)9月21日の
台湾大地震で崩壊した故郷の復興を間近で見ていて、台湾らしい町並みをつくりたいとい
うのが留学の動機でした。
昨年の夏、日本に来てから本格的に日本語を学び始めたのですが、台湾留学生などの助
けもあって急速に上達、今では日常会話に関してはほとんど不自由なく使えるほどになっ
ています。
黄さんはまた李登輝学校のスタッフとしても活躍していて、私どもがこの9月に行った第
5回台湾李登輝学校研修団でも台湾側スタッフとしてお手伝いしていて、気心が知れた仲
間がいるということで、私どもも安心して研修に臨むことができました。
では、黄さんが(財)伊藤青少年育成奨学会で発行している「奨学会だより」(10月1日発
行、vol.3)に掲載されたお便りをご紹介します。このお便りは帰台する前の8月に出した
もので、日本に戻ってから約束どおり(財)伊藤青少年育成奨学会を訪ね、伊藤嬉美理事長
や担当者の方とお会いして歓談しています。
なお、この(財)伊藤青少年育成奨学会の奨学生は現在も募集中です。台湾からの留学生
には、年限を区切らずに給付するという魅力ある制度ですので、詳細についてのお問い合
わせは日本李登輝友の会事務局までお問い合せください。
■日本李登輝友の会 担当:柚原
〒102-0075 東京都千代田区三番町7-5-104号
TEL: 03-5211-8838 FAX: 03-5211-8810
E-mail: ritouki-japan@jeans.ocn.ne.jp
■(財)伊藤青少年育成奨学会
岐阜県多治見市大針町661-1 株式会社バロー内
TEL:0572-20-0800 FAX:0572-29-1168
E-mail:webmaster@ito-zaidan.or.jp
ホームページ:http://www.ito-zaidan.or.jp/
台湾からの岐阜大学への留学生 黄慈[女亭](コウ ジテイ)さんからのお便り
【(財)伊藤青少年育成奨学会「奨学会だより」10月1日発行、vol.3】
日本に来る前に日本語は半年ぐらいしか勉強してなくてあまりしゃべれなかったので、
とても不安でした。しかし、時間が経つとともに、少しずつですが、日本語もしゃべれる
ようになり留学生活にも慣れてきました。
今は、留学センターの日本語コースを選び、文法と文章表現と文章理解などの授業全部
受けております。毎週11科目の授業があります。授業のない時は専門分野の資料を探した
り、日本語授業を復習したりします。そのため毎日忙しいです。
さて、私の研究課題は、「交通計画に於ける台湾と日本の比較」です。都市計画の中で
道路建設は重要な役割をしています。基幹となる道路を建設する場合、十分に地域特性や
住民の要望を考えたうえ、綿密に計画を立てて設計をすることで、その地域の生活の向上
につながると思います。アジアではこの分野で一番研究が進んでいるのは日本なので、日
本に留学することにしました。そして、来年大学院の試験を受けるために、これから一生
懸命頑張ります。将来、日本で習った専門知識を台湾で活かしたいと思います。
私は、夏期休暇を利用して8月17日から9月20日頃まで台湾へ帰ります。9月末奨学会
へ一度訪問したいと思っておりますのでよろしくお願いします。