た中国の徐才厚中央軍事委副主席は、台湾問題について「敵対関係はまだ解消されてい
ない」と述べた。中国は明らかに台湾を敵対関係とみなしている。そして、台湾併合の
チャンスを虎視眈々と狙っている。
だが、馬英九総統は昨日、国防大学で行われた幹部研修会の席上、「両岸間では向こ
う四年間、戦争は勃発しないだろうとの見方を示した」という。
中国国民党の主席選挙中の2005年6月、馬英九候補は尖閣諸島をめぐって「釣魚島奪
回のためなら、日本と一戦を交えることもいとわない」と発言した。この発言は未だ撤
回されたとは聞いていない。
敵対関係にあると明言する中国には「戦争しない」と表明し、日本には「一戦を交え
ることもいとわない」と発言したままの馬英九氏。
蔡英文・民進党主席の「(中国と)戦争せずに降参することだ」との指摘に説得力を
感ずるのは編集子だけではあるまい。馬英九氏の中国傾斜はさらに一歩進んだ。
(編集部)
馬英九・総統:向こう四年両岸は戦争しない
【10月21日 Radio Taiwan International】
馬英九・総統が21日午前、中華民国国軍の軍高官に対してスピーチを行い、強固な国
防を構築し、同時に国防がもたらした脅威を緩和させることが出来れば、台湾海峡両岸
間では向こう四年間、戦争は勃発しないだろうとの見方を示した。
中華民国国軍の重要な幹部の研修会は21日、国防大学で行われ、席上、馬英九・総統
はスピーチを行った。
馬英九・総統は総統選挙期間中に、このような構想を出したとし、現在、それを実現
する自信が更に強まると述べた。しかし、馬英九・総統は戦争がなくても、台湾にとっ
て国防、軍備、訓練、改革は必要不可欠なものであると強調、非軍事的な方法で台湾海
峡両岸間の脅威を和らげ、軍事的な方法で戦備を整うべきだとの見方を示した。
馬英九・総統の談話について、中華民国政府で対中国大陸事務を所轄する、行政院大
陸委員会の頼幸媛・主任委員は、台湾海峡両岸関係は台湾の対中国大陸窓口機関、海峡
交流基金会の江丙坤・董事長と中国大陸の対台湾窓口機関、海峡両岸関係協会の陳雲林
・会長の制度化された対話ルートを通じて更に平和になり、更に穏やかになるだろうと
の見方を示した。
一方、劉兆玄・行政院長も立法院で立法委員の質疑に答えた際、台湾と中国大陸は平
和的な方向に向けて関係を発展させていくことが期待できるとの見方を示した。
劉兆玄・行政院長は「馬英九・総統就任後、争議を棚上げし、双方にとって共に有利
な局面を作り出す理念に基づいて両岸関係の問題を処理し、それに両岸の窓口機関の制
度化された対話が再開されたため、両岸の間には比較的平和で、良好な関係が期待でき
ると述べた。
野党第一党・民進党の蔡英文・主席も馬英九・総統の談話について見解を示した。蔡
英文・民進党主席は、台湾の人民が心配しているのは、馬英九・総統は戦争せずに降参
することだ。これは人民の信頼感の問題だと述べた。蔡英文・主席は、国家の指導者は
人民の信頼感を得られずに、対岸と各種の対話、または提案を行うことはこの社会の対
立を煽るのみだと指摘した。
蔡英文・主席は台湾の主権を守る必要性を強く主張し、人民の安定感と信頼感が最重
要で、両岸問題のため、人民の不安を募らせる必要はないと強調した。
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