11月25日、台湾の総統選挙の立候補受付が締め切られ、中国国民党は馬英九主席、民進
党は蔡英文主席、親民党は宋楚瑜主席という主な顔触れが決まった。立法委員選挙も同時
に行われるため、台湾は選挙一色に染まっている。昨日のメルマガ「台湾の声」が前回の
総統選挙や立法委員選挙の議席数などを織り込んで解説しているので、下記にご紹介した
い。
なお、ここにきて蔡氏が馬氏を急追している。台湾紙『中国時報』が26日発表した最新
の世論調査によると、馬氏の支持率40.7%に対して蔡氏が40.3%で、その差はわずか0.4ポ
イント。ほとんど差がない。ますます激戦の様相を呈してきている。
本会が企画している「総統選挙・立法委員選挙見学ツアー」(2012年1月12日〜15日)も
内容が固まりつつある。お申し込み締切は12月15日です。お早めにお申し込み下さい。
◆『総統選挙・立法委員選挙見学ツアー』お申し込み【締切:12月15日】
http://www.ritouki.jp/cgi-bin/enquete/form0094.reg
◆ご注意:総統選をはじめ台湾の選挙では、日本人など外国人や未成年者による献金(募
金)は禁じられています。くれぐれもご注意のほどお願いします。
総統&国会ダブル選挙が本格始動
【メルマガ「台湾の声」:平成23(2011)年11月28日】
来年1月14日に投票が実施される台湾の総統(大統領)と立法委員(国会議員)のダブ
ル選挙の立候補が11月25日に締め切られ、候補者が出そろった。
総統選挙については、現職の中国国民党の馬英九総統に対し、民主進歩党(民進党)の
蔡英文主席(党首)と、親民党の宋楚瑜主席が挑戦する。
実質上は国民党の馬氏と民進党の蔡氏の一騎打ちとみられているが、馬氏と蔡氏は接戦
であり、宋氏が勝負を分ける数パーセントを左右することから、宋氏の動きも今後注目さ
れる。宋氏は最終的な中国統一(中華民国による統一)を支持すると明言して中国派色を
鮮明にし、「不統、不独」の馬氏と、台湾はすでに独立国家と主張する蔡氏を批判し、存
在感を高めようとしている。
立法委員選挙は定数113議席で、そのうち小選挙区が73議席、原住民選挙区が6議席、比
例代表が34議席。4年前の立法委員選挙では、親民党候補を国民党から出馬させる選挙協力
で小選挙区を有利に戦った国民党が、選挙区(小選挙区+原住民区)で61議席、比例で51.2
%の20議席、合計81議席を獲得して圧勝した。
当時与党だった民進党は選挙区で13議席しかとれず小選挙区制の恐怖を味わったほか、
比例の36.9%の14議席を合わせても合計27議席しか得られず惨敗した。また、それまで10
数議席あった台湾団結連盟(台連)は小政党に不利な小選挙区制で埋没してしまい、議席
をすべて失った。
今回、与党の国民党は前回より獲得議席が減るのは避けられないと苦戦を認め、60議席
を目標としている。野党については、民進党と台連の選挙協力が進み、台連は小選挙区で
は民進党の候補者を支援し、比例のみ候補者を立てて5%以上の得票率(2人以上の当選)
を目指す。民進党は50議席は固めたとして、過半数の57議席を目指す。親民党は宋楚瑜氏
が総統選挙に出馬したことで第3軸として存在感が高まっており、党としての目標議席を
発表していないが、比例で3議席以上プラス選挙区での当選を目指す。前回小選挙区で圧勝
した国民党は、今回小選挙区で親民党が18人候補者を立てたことから、親民党に票が流れ
ると国民党が不利になり、民進党が漁夫の利を得る可能性が高まる。