本会は3月の総会後、渡部昇一・上智大学名誉教授による「集団的自衛権の確立と台湾」
と題した記念講演を行った。
渡部先生は、中国の海洋進出や急激な経済的・軍事的な台頭について「何が何でも世界
を征服しようとしています」と指摘、そうするとシナ大陸に対する島国の役割が浮き上が
ってくるとして、イギリスがヨーロッパ大陸の「カウンターウエイト」、つまり、釣合い
をとるための重りとなってきたように「日本と台湾がシナ大陸の抑えになる」「カウンタ
ーウエイトとして大陸の蓋(ふた)になっている」と剔抉(てっけつ)した。
しかし、日本のカウンターウエイトは非常に軽いとも指摘する。なぜなら、日本は「ア
メリカの核に頼らざるを得ない」からであり、また集団的自衛権を発動できないからだと
指摘する。
そこで、日本のカウンターウエイトを機能させるには、日本が「集団的自衛権の発動は
可能である」と宣言することであり、日本もアメリカも台湾を含めた集団的自衛権の形に
ついて知恵を絞れと提案する。
渡部昇一先生の講演は、集団的自衛権確立の角度から、日本と台湾の関係のみならず、
アメリカの「台湾関係法」とのリンクにも言及する非常に中身の濃い感銘深い講演だっ
た。
すでに渡部昇一先生のご了承をいただいていることから、近日中にDVDを製作予定だ
が、その前に講演の冒頭15分をYouTubeにアップロードした。ぜひご覧いただきたい。
なお、来週の発送を予定している機関誌「日台共栄」8月号でも、講演抄録を掲載してい
る。こちらも併せて読まれたい。
◆ 渡部昇一先生講演「集団的自衛権の確立と台湾」
http://youtu.be/LAgPGXxntHo