原住民族の日の8月1日には政府を代表して原住民に謝罪し、今後、総統府内に「原住民族歴史的
正義および移行期の正義委員会」が設けると宣言。
8月3日には、総統府前で抗議を行う原住民のデモ隊の前に姿を現し、直接、参加者の声に耳を傾
けた。
8月11日には、プユマ族やアミ族出身の5人の立法委員や行政院原住民族委員会の職員を同行して
台東県東河郷都蘭村を訪れ、アミ族の人たちの声に耳を傾けた。
8月15日には屏東県の三地門郷を訪問、「パイワン族の収穫祭(Masalut、マサルト)に出席し
た。パイワン族の血を引き、パイワン族の名前『Tjuku』を持つ蔡総統は原住民族のことを『我が
仲間たち』と呼び、総統在任中に自分は何ができるだろうかと問いかけた」(TAIWAN TODAY)とい
う。
また8月15日には、三地門からタオ族が住む台東県の離島、蘭嶼(らんしょ)を訪問した。タオ
族の人々と核廃棄物の貯蔵問題について意見を交換し、「蘭嶼は歴史上、台湾で最も困難な責任を
負わされた。どうやってこれを補償するかは、台湾が向き合わなければならない問題だ」と強調、
貯蔵施設の存廃問題について話し合うプラットフォームを確立し、貯蔵施設と補償の問題について
優先的に対処することを約束したと伝えられる。
放射性廃棄物貯蔵施設めぐり住民と対話 蔡総統が蘭嶼訪問
【中央通信社:2016年8月15日】
http://japan.cna.com.tw/news/apol/201608150011.aspx
(台東 15日 中央社)蔡英文総統は15日、台東県の離島、蘭嶼を訪問した。同島にある低レベル
放射性廃棄物貯蔵施設のあり方をめぐり、住民らと対話を図った。
蔡総統は今月1日、過去の原住民(先住民)に対する不公平な扱いを政府を代表して謝罪。実際
に集落を訪問して交流するなど、原住民を重視する姿勢を打ち出している。現職の総統が蘭嶼で貯
蔵施設に関する対話をするのは初めて。
蘭嶼郷役場で開かれた座談会で蔡総統は、貯蔵施設の早期移転を望む声を受け、台湾電力や政
府、民間が放射性廃棄物問題を扱うプラットホームを設置することを約束。補償問題についても検
討するとした。
また、伝統的家屋に住むタオ族の長老を訪問した際には、「指導者」の意味を持つタオ語の名前
が蔡総統に授けられる一幕もあった。
(盧太城/編集:齊藤啓介)