【追弔】強い日本―中川昭一氏が東アジアで示した存在感の大きさ

【追弔】強い日本―中川昭一氏が東アジアで示した存在感の大きさ
【追弔】強い日本―中川昭一氏が東アジアで示した存在感の大きさ

        永山英樹

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■中国から見れば国家戦略を阻む大きな存在 

中川昭一元財務大臣の突然の死は惜しまれて余りある。

マスコミに言わせれば中川氏は「タカ派論客」(中日新聞)。拉致問題、歴史問
題等で堂々たる姿勢を示した同氏は、左傾メディア好みではなくても、心ある国
民からは、日本を凋落から救うリーダーとして大きな期待を受けていた。

同氏はまた、東アジア情勢に対しても大きな影響力を保有していたと言える。「
中国では対中強硬派と受け止められていた」(共同)と言うのがそれだ。

日本の政治家の多くが中国の籠絡を受け、あの国に媚態を尽くして「ノー」を言
えなくなっているなか、はっきりと「ノー」を突きつけてきたのが中川氏だった

中国から見れば、日本政界を影響下に置く国家戦略を阻む、大きな存在だったと
言える。

■強い日本を希求―中川氏を「親台」と報じる意味 

「急死」を報じたAFPの中国語ニュースは、中国人記者によるものだろうか。
中国の観点に沿った中川氏評が見られた。

「中川氏は中国を強烈に批判するとともに、日本も核兵器の開発を考えるべきと
アピールし、物議を醸した。また有名な親台議員でもあり、台湾独立派の李登輝
元総統を思慕していた」

このニュースはタイトルからして「親台の元財相・中川氏急死」。中国人が言う
日本人の「親台」は、「反中」の代名詞でもある。

日中攻防の要衝に位置するのが台湾だ。だから中国は日本の政界に対し、日台交
流だけは強く戒めてきた。ところがそれを敢えてやろうとするなど、あの国から
見れば自らの膨張政策に歯向かう危険人物となるわけだ。

従って「親台」には、「強い日本」を希求する「軍国主義者」との意味合いもあ
る。

■これほど中国から警戒されていたー中国誌の中川評

八月の衆議院選挙直前、中国誌「環球」(新華社)は日本の政治家の「対華態度
」を比較する記事を掲載。こうした中川氏の対中姿勢について、こう書いていた

―――中川昭一の外交観と国家観は保守的で、つねに中国、朝鮮に対して強硬な
言論を発している。

―――経済産業相のとき、帝国石油に中国と争われるガス田での試掘権を与えた

―――毎年靖国神社参拝を堅持している。

―――つねに日本は非核三原則が正しいか否かを討論すべきだと主張し、核武装
をすべきか研究するよう要求している。

―――日本軍による強制労働や従軍慰安婦の事実を疑い、九三年に河野洋平氏が
談話で慰安婦への強制を認めたことに対し、「自虐的だ」とした。

―――中学校の教科書での従軍慰安婦に関する記載内容に反対した。報道によれ
ば、NHKによる従軍慰安婦のドキュメンタリー番組に干渉した。

――― 一貫して中国脅威論を鼓吹している。〇七年の名古屋での講演では、「
中国は五輪を契機に経済と軍事の擡頭を推進しようとしている。日本は二十年後
には中国の一省になるかもしれない」と指摘した。

―――〇七年五月十七日、中国に対抗するため、インド、豪州との協力を推進す
る「価値観外交を推進する議員の会」の結成に参与した。

これを読めば、中川氏が中国からどれほど警戒される存在だったかがわかるだろ
う。

■中国への攻勢に転じつつあったものの

何から何まで中国に従わず、中国の好まないことを敢えてするこの人物だけは、
首相になってほしくないと、中国は願っていたはずだ。

ことに「価値観外交を推進する議員の会」結成の動きに対する中国側の焦燥感は
大きかった。何しろ中国には、日本の反中政治家たちが抵抗姿勢から攻勢へ転じ
たと映ったからだ。価値観外交とは中国主導の東アジア世界形成の戦略にとって
は、それほど脅威だったのだ。

2004年の漢級原潜の領海事件で、経済産業相だった中川氏は「我慢の限界」
と述べ、対中ODA供与の停止の可能性も口にするなど、日本政府には従来見ら
れない厳然たる姿勢を示した

確か当時は参議院選挙の前夜だった。これら勢力の勝敗如何が日中関係を大きく
左右するとの分析も中国メディアに見られた。しかし選挙は、自民の惨敗、民主
の大躍進で終わった。

■台湾人にも期待された「強い日本」

かくして日本の中国の前における凋落が始まった。先ごろの衆議院選挙でも自民
は惨敗。中川氏も落選した。田中真紀子氏が「台湾を応援する人々がたくさん落
ちた」と喜んだのは、「中国に楯突く政治家(親台派)たちが減少した」と安堵
する中国側の代弁だったのではないか。

台湾でも「親台」である中川氏への声望は高かった。その対中「強硬」発言は、
その都度メディアに大きく取り上げられていたものだ。

〇七年、都内で在日台湾人の医師のグループが中川氏を講師に招いたことがある
。「日本と台湾は価値観を共有できる」と強調する同氏に、会場からは「日本も
台湾関係法を制定してほしい」と要望する声が上がった。

この中国をも恐れぬ勇気ある日本の政治家なら、きっと台湾のためにやってくれ
ると期待したのだろう。中川氏なら強い日本を復活させ、東アジアの力関係を変
えてくれるかも知れないと。

中川氏亡き後の日本人の奮起が求められている。

日本のために戦い続けた中川氏のご冥福を心よりお祈り申し上げる。

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