【西村眞悟の時事通信】台湾にて

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              西村眞悟

 一月十六日の総統選挙後の台湾を、どうしても肌で感じたく思っていたが、
  この度、あわただしいことであったが、
  台湾の台北にて、
  日本の恩人というべき二人の記憶力抜群の談論風発の碩学と、
  二日にわたって、ゆっくりと率直に食事をしながら話し合うことができた。
  お二人とも、日本人として生まれ、日本人として育ち、
  日本の歴史と伝統と詩歌や文学に関することは、私より遥かに詳しい方である。

  台北の街は何ら変わることなく、何事もなかったかのように時間が過ぎていって
いる。
  この何も変わることもない街と人々の様子こそ、
  一月十六日の総統選挙の結果を、
  人々が当然のこととして受け止めていることの証左である。

  その総統選挙の結果とは、いうまでもなく、
  民進党の蔡英文女史の当選であるが、
  もう一つある。
  それは、二十世紀に日本を巻き込んだアジアと大陸の動乱の主役でありつづけた
 中国国民党の崩壊である。

  従って、台湾は大陸にある中国共産党の軍門に入ることはない。
  つまり、中国国民党と中国共産党の第三次国共合作はありえない。

  しかしながら、
  現在の台湾は大陸の中共と経済的な依存関係にある。
  従って、この経済を使った中共の台湾侵略を如何に阻止するかが重大課題であ
る。
  丁度、今振りかえれば、台北で、
  ホンハイがシャープを買収するということは、
  中共がシャープの技術や知的財産をごっそりと獲得するということだ。
  日本政府は、何故、これを放置するのかと語り合っていた時に、
  買収合意が為されていたわけだ。
  翌日それを知り、無念であった。

  とはいえ、一に懸かって、
  五月に総統に就任する蔡英文が、
  如何なる基本戦略を貫くのかがポイントとなる。

  新総統が、我が国の外務省のように、
  「中共を刺激しないという基本方針」、また、
  「総統生活の平穏に守る」というで態度で臨むのならば、
  元の木阿弥となる。
  そして、この元の木阿弥から、
  台湾と東アジアの危機が生まれる。
しかし、
  新総統が、
  静かに、そして断固として、
  「台湾人の台湾建設」に動いていけば、
  台湾と東アジアに新らしい安定と繁栄がもたらされる。

  蔡英文が、このどちらの態度で新総統の任務を果たそうとするのか、今、不透明
である。

  従って、安倍総理と安倍内閣は、
  日本と東アジアの明るい将来のために、
  台湾に対して重みのある力強い連携の姿勢を打ち出すべきである。
  今こそ、積極外交の時である。

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