【産経・あめりかノート】尖閣主権で日本を強く支持する共和党が躍進

【産経・あめりかノート】尖閣主権で日本を強く支持する共和党が躍進
【産経・あめりかノート】尖閣主権で日本を強く支持する共和党が躍進 したたかに利用を

2014.11.16 産経新聞

 古森義久

 「尖閣諸島は議論の余地なく日本の領土だ。領有権の紛争は存在せず、中国が日本の基本的権利を侵害しているだけなのだ」

 「尖閣諸島など東シナ海で緊張状態が続くことに日中両国は異なる見解を有する。対話と協議を通じて、情勢の悪化を防ぐ」

 さてこの2つの声明はどこの国の代表が述べたのだろうか。

 第1は日本の主張そのものとして響く。第2は日本の立場を離れた第三者的なスタンスのようだ。

 ところがこれが逆なのである。第1の声明は米国上院の外交、軍事両委員会の有力メンバー、ジョン・マケイン議員の再三の言明なのだ。第2は日本政府が日中首脳会談前の中国との合意文書で述べた見解だった。

 日本の政府よりも強く日本を支持するような意見を対中関係や日米同盟について述べているマケイン議員ら共和党議員たちが4日の米国中間選挙で上院の多数を制したことの日本への意味は日本側でも銘記されるべきだろう。

 この選挙はあらゆる予測をはるかに超える大規模な共和党の歴史的勝利だった。上下両院の制圧と州知事選での圧勝、州議会でも戦後最多の議席と、共和党は地すべり的に勢力を広げた。

 その結果の日本への影響としてはオバマ大統領への打撃に加えて、外交や安保で権限の強い議会上院の与野党逆転の意義が大きい。上院は立法府とはいえ外交や軍事の予算や人事の権限を握り、行政府の対外政策に修正を求めて容(い)れられることも多いからだ。

 その上院で同大統領の外交や軍事の政策に最も激しい非難を述べてきたのが外交、軍事両委員会のマケイン氏ら共和党議員たちだった。オバマ政権の中東、ロシア、アジアなどへの政策が消極、無策に過ぎ、国際秩序崩壊への危機を招いたという批判だった。

 とくに中国と日本への姿勢では同外交委アジア太平洋問題小委員会の共和党筆頭議員のマルコ・ルビオ氏も尖閣の主権は日本に帰属すると明言してきた。「中国は日本領土に冒険主義の野心的な違法侵入を続けている」としてオバマ政権に日本支持、中国非難の言動を明確にとることを求めてきた。

 同外交委員会全体の共和党筆頭議員ボブ・コーカー氏もオバマ政権の対中政策批判で知られる。中国に北朝鮮の核武装を阻止させるべきだとして、中国が同意しない場合、米国が日本の核武装をも認めうるという見解を大手紙への寄稿で発表し、論議を呼んだ。

 共和党上院議員のこうしたオバマ政権批判は上院全体が民主党多数下にあったときはその効果にも限度があった。だが新議会ではマケイン氏が軍事委員長、コーカー氏が外交委員長となり、上院全体を動かすこととなる。外交や安保での政権への言動が飛躍的にパワーアップされるのだ。

 これら共和党議員たちは日本関連の歴史問題でもオバマ政権とはまったく異なる姿勢をとる。ルビオ議員らは安倍晋三首相の靖国参拝へのオバマ政権の「失望」表明を逆に非難した。

 日本としては米国の国政のこの変化をオバマ政権への礼節を保ちながらも、したたかに利用すべきだろう。(ワシントン駐在客員特派員)

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