【傳田晴久の台湾通信】『ONE TAIWAN』プロジェクト

【傳田晴久の台湾通信】『ONE TAIWAN』プロジェクト
【傳田晴久の台湾通信】『ONE TAIWAN』プロジェクト

1. はじめに
来年1月11日(土)に台湾では総統選挙と立法委員選挙が行われますので、台湾のテレビでは毎日「あと何日で選挙」とのカウントダウンが始まっており、選挙戦は終盤を迎えて大変な熱狂ぶりです。そして12月8日(日)、東京では「自由で開かれた台湾を守るため」と銘打った「ONE
TAIWAN」プロジェクトという国際シンポジウムが開催されました。
私はネットによる「live配信」なるもので参加しました。極めて重要な内容と思いますので、この台湾通信で概要をお伝えいたします。と書いて、「live配信」を楽しみに待ちましたが、当日「live配信」は見られませんでした。配信元の指示に従ってログインしましたが、何も配信されませんでした。画面上に表示される「コメント」を見ますと、配信されなかったり、音声が聞こえなかったり、色々トラブルがあったようです。
しかし、このプロジェクトの目的や内容は極めて有意義と思い、当日の「live配信」部分は除いて、「ONE
TAIWAN」プロジェクトについて報告いたします。

2. 「ONE TAIWAN」プロジェクトとは?
10月の終わりころ、「台湾の声」というメルマガが、このイベント開催を告げ、国際政治学者の藤井厳喜氏と台湾の正名運動発案者で「台湾の声」編集長の林建良氏の対談を3編(ユー・チューブ)紹介してくれました。
早速拝見したところ、要するに、「今回の選挙は台湾にとっても、日本にとっても、アジアにとっても、世界にとっても極めて重要であるから、日本人は無関心であってはならず、昔のサムライ精神を取り戻し、台湾に関心を寄せ、台湾を支援すべし」というものでした。
3編の対談の概要を以下纏めてみます。

3. 対談その一(前編)
[前編]のタイトルは「米中対決最大の主戦場『台湾』
―世界が注目する“21世紀の関ヶ原”」というもので、約23分の動画ですが、その要旨は次の通りです。
昨今の話題は香港が中心であるが、台湾が米中の問題の争点になる。中国は昨年の九合一選挙(統一地方選挙)に介入し、国民党を勝利させたが、今回の選挙で国民党政権が誕生すれば、「日本の終わりの始まり」となる。何となれば、国民党の綱領には「中国と平和協議をする」とある。もし、台湾が中国に取り込まれると、「台湾は空母20隻に相当する」とマッカーサーが言ったように、中国は軍事的に相当優位になる。
中国が台湾を手に入れれば、マーシャル群島を抑え、日米分断を図れる。台湾の中央には3000メートル級の高山があり、そこにレーダー基地を設ければ、アジア・太平洋を抑えることができ、安倍総理の提唱する「セキュリティ・ダイヤモンド」ができなくなり、米国は撤退せざるを得なくなる。
アジア周辺諸国は華僑主体の国が多く、華僑は中国に靡き、インド・ロシアも中国に靡き、ユーラシア大陸は「悪の帝国」のもとに入る。日本の財界は中国中心であるから、中国の下請けになるだろう。
日本は台湾のことを理解しているのか?

4. 対談その二(中編)
[中編]のタイトルは「知られざる『日本人大虐殺事件』 日本政府が無視したエリート3万人の命」というもので、約28分の動画ですが、その要旨は次の通りです。
日本と台湾の関係は、如何に近いか?与那国島と台湾は120キロの距離、日台は飛行機で3時間である。台湾は南北400キロ、東西は140キロ、「芋」の形をしている。地形は複雑で、2/3は山地、1/3が平地、熱帯・亜熱帯・温帯・寒帯が存在する。
台湾人は芋っ子と言われるが、その意味は、生命力が強く、何処でも生きることができる雑草のような人々であるが、世界での存在感は少なく、世界の孤児、歴史上無視されてきた。台湾がいくらアピールしても日本は無視している。
台湾はオランダ、スペイン、清、日本、蒋介石(中華民国)に支配された。日本は戦後蒋介石政権を重視したが、台湾人を重視しなかった。米国も反共というから中華民国を重視した。日華は日台とは違う。
日本には台湾について2つの神話があるといえる。神話その1は、「1972年以前は台湾(中華民国)が中国の代表であり、モンゴルからチベット・・・・すべてを統治している」というものであり、神話その2は、「1972年以降、台湾は中国の一部である」というものであるが、台湾は中華人民共和国に1秒たりとも統治されたことはない。
228事件の犠牲者(3万人のエリート)は日本国籍をもっており、日本は自国民が虐殺されたというのに、それを無視するとは何と言うことか?
無視された台湾人が「日本大好き」、何故?台湾人が尊敬している日本人は戦後の日本人でなく、戦前の立派な日本人である。

5. 対談その三(後編)
[後編]のタイトルは「『サムライ精神4ヶ条』台湾で語りつがれる日本人の強さの秘密」というもので、約25分の動画ですが、その要旨は次の通りです。
日本人は「反日国家」が大好きで、「親日国家」は大嫌い。だから台湾は「反日国家」にでもならなければ日本に大切にしてもらえない。台湾人は日本人の「落とし子」、その子が苛められて、親に助けを求めているのに振り向いてもあげない。
昔の日本人はサムライ精神(①規律、②清潔、③正義、④冒険心)があった。台湾人が日本を評価するのは「サムライ精神」があったからである。李登輝さん、黄昭堂さん、蔡焜燦さん皆さんそうおっしゃる。「日本精神」ともいう。
戦後の日本人には①の規律、②の清潔は残っているが、③の正義心と④の冒険心を失ってしまった。正義心とは「弱きを助け、強きをくじくこと」、今の日本人は「強きには媚び諂い、弱きを苛めている」ように見える。
昔の台湾人は日本のことを先生と思っているが、戦後負けて日本に引き揚げてからの日本に対するマイナスなイメージ、日本人の変わり果てた姿、そんな先生の姿は見たくない、信じたくない。それが曾て道徳的で、高潔で、尊敬する先生に対する礼節というものである。ところが、朝鮮半島の人々は違う。もともと日本人を先生とは思っていない。占領者と思っているから。
戦後の日本人は何事も損得勘定でやる。戦後上手くやってきたように見えるが、国防をアメリカに任せてきた。国防は命を掛ける部分があるにもかかわらず、それを金で解決しようとしてきた。湾岸戦争の戦費、拉致問題しかり。日本は国防をないがしろにしている。
日米台がしっかりし、「悪の帝国」に打ち勝たねばならない。

6. 12月8日のシンポジウム
「live配信」の様子を付け加えようとこの項を用意しましたが、前述のような事情で残念ながらお伝えする内容がわかりません。素晴らしいシンポジウムだったと思いますが、誠に残念!

7. 選挙戦の様子
私には選挙の実情についての専門的知識、見識はないので、正確なことは書けませんが、当地にいて毎日見かける新聞やテレビ番組(それも一部の局だけですが、何と言っても討論番組などはものすごい早口でのけんか腰の言い合いですので、字幕を見ていてもよく解らないのが実情です)の表面的な印象からしますと、11月に入ってから潮目が変わり、はっきりしてきたかなと言う印象、それが12月に入るとほぼ確定的になったかなと言う印象です。
しかし、どの国の選挙もふたを開けてみないとわからないということですし、台湾の選挙結果に与える要因・要素は極めて複雑とのことです。中国の干渉、フェイクニュース、褒め殺し、票の売買、何でも票数を使った賭博もあるとか、従ってこれからの約1ヶ月間に何が起こるかわかりません。
総統・副総統候補は民進党からは蔡英文・頼清徳さん、中国国民党からは韓国瑜・張善政さん、親民党から宋楚瑜・余湘さんの3組です。11月28日に発表された自由時報紙による世論調査結果では、蔡頼組の支持率が49.95%、韓張組が19.49%、宋余組が5.62%、未定が24.93%とのことです。

8. おわりに
今回、台湾の人々が尊敬しているのは昔の「サムライ精神」あふれた日本人であって、現在の日本人ではないということを知りました。それはそうかもしれません。独裁国家が昔の仲間を呑み込もうとしているときに、その独裁国家や反日の国に媚を売り、塩を送るような日本、自国の憲法ひとつ変えられない、自国の防衛を「外注」しているような日本では尊敬に値しない。それでも「日本大好き」と言ってくださる台湾人に対して、私は本当に恥ずかしく感じました。
私は「日台交流」の一助になれば(台湾の人々が親日になって欲しい)と願って台湾に滞在させていただいているつもりでしたが、その前にやるべきことがあることを今回思い知らされました。日本を、自分たちの国を「普通の国」にしなければいけませんね。さて、如何したものか・・・・・。
  


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