G7サミット首脳宣言で「台湾海峡の平和と安定」を明記

G7サミット首脳宣言で「台湾海峡の平和と安定」を明記

 イギリスのコーンウォールで6月11日から開かれていた先進7ヵ国首脳会議(G7サミット)が13日に閉幕し、予想どおり「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し、両岸問題の平和的解決を促す」(We underscore the importance of Pace and stability across the Taiwan Strait, and encourage the peaceful resolution of cross-Strait issues.)と明記した首脳宣言(コミュニケ)を採択した。

 また、「Our Shared Agenda for Global Action to Build Back Better」(より良い構築をめぐる地球規模的な行動のための私たちの共有課題)と名づけられたこの首脳宣言では「包摂的で、法の支配に基づく自由で開かれたインド太平洋の維持の重要性を改めて表明」し「東シナ海及び南シナ海における状況を引き続き深刻に懸念し、現状を変更し、緊張を高めるあらゆる一方的な試みにも強く反対する」ことも明記された。

 本誌でも繰り返してお伝えしてきたように、今年3月の日米安全保障協議委員会(2+2)に始まる一連の国際会議において「中国への深刻な懸念」とともに「台湾海峡の平和と安定の重要性」が強調され、4月の日米首脳会談後の共同声明で「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し、両岸問題の平和的解決を促す」という一文が挿入されて以降は、先進7ヵ国(G7)外相会議、日EU定期首脳協議、日豪外務・防衛閣僚協議(2+2)、そしてG7サミット首脳宣言でもまったく同じ文言が採択された。一連の国際会議は以下の通り。

・3月16日、日米安全保障協議委員会(2+2)共同声明「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調」(茂木敏充・外相、岸 信夫・防衛相、アントニー・ブリンケン国務長官、ロイド・オースティン国防長官)

・4月16日、日米首脳会談の共同声明(菅義偉総理、ジョー・バイデン大統領)

・5月5日、先進7ヵ国(G7)外相会議の共同声明(イギリス、アメリカ、カナダ、日本、ドイツ、フランス、イタリア、欧 州連合)

・5月27日、第27回日EU定期首脳協議(菅総理とシャルル・ミシェル欧州理事会議長、ウルズラ・フォン・デア・ライエ ン欧州委員会委員長)

・6月9日、第9回日豪外務・防衛閣僚協議(2+2)共同声明(茂木外相、岸防衛相、マリズ・ペイン外相、ピーター・ダッ トン国防相) *21項目からなる共同声明は、これまでの「自由で開かれたインド太平洋」に替わり「自由で、開かれ、包摂的で、繁  栄したインド太平洋を推進するための協力を深化さ せる決意を新たにする」など「自由で、開かれ、包摂的で、繁  栄したインド太平洋」という文言を3度使用。

・6月13日、G7コーンウォール・サミット「首脳コミュニケ」(日本:菅総理 、米:バイデン大統領、仏:マクロン大統 領、 独:メルケル首相、英:ジョンソン首相【議長】、伊:ドラギ首相、加:トルドー首相、EU:ミシェル欧州理事 会議長及びフォン・デア・ライエン欧州委員会委員長)

 日米安全保障協議委員会(2+2)から始まった台湾海峡への言及は、ようやく先進7ヵ国の首脳会議で足並がそろった。台湾と台湾海峡問題が世界に浮上した瞬間と言える。これだけでも中国への抑止効果は相当にあると考えられるが、今後は中国への「深刻な懸念」をいかに取り除いてゆくか、具体的な行動に移る。特に日本が台湾とどのような安全保障関係を築いてゆくのか、また、米国やクアッド(Quad)との関連的な動きに注目してゆきたい。

 下記に外務省が発表している首脳宣言の原文(英文)と日本語による「骨子」ならびに産経新聞の記事をご紹介したい。

◆先進7ヵ国首脳会議(G7サミット) 首脳コミュニケ原文 CARBIS BAY G7 SUMMIT COMMUNIQU? Our Shared Agenda for Global Action to Build Back Better https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100200009.pdf

◆G7コーンウォール・サミット 首脳コミュニケ(骨子) https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100200016.pdf

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「台湾海峡の平和と安定」明記 G7首脳会議閉幕【産経新聞:2021年6月13日】https://www.sankei.com/article/20210614-3HGFAPGEEBPT5IVQ23DGX472WA/

【コーンウォール(英南西部)=板東和正】英南西部コーンウォールで開かれていた先進7カ国首脳会議(G7サミット)は13日、「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し、両岸(中台)問題の平和的解決を促す」と明記した首脳宣言を採択した。G7サミットの首脳宣言で台湾海峡に関する文言が入るのは初めて。サミットは3日間の討議を終え、閉幕した。

 首脳宣言では、発展途上国に対し、インフラ投資を進める方針も盛り込んだ。中国の習近平指導部が周辺の途上国などで進めている巨大経済圏構想「一帯一路」への対抗策となる。

 また、中国に対し、新疆(しんきょう)ウイグル自治区での「人権や基本的自由」を、香港では「自由と高度な自治」をそれぞれ尊重するよう求めた。さらに、中国の覇権的な海洋進出を念頭に、東・南シナ海での情勢への「深い懸念」を示し「緊張を高めるいかなる一方的な試みにも強く反対する」と表明。法の支配に基づく「自由で開かれたインド太平洋」を維持する重要性を確認した。

 北朝鮮については、「朝鮮半島の完全な非核化」とともに違法な大量破壊兵器と弾道ミサイルの「検証可能かつ不可逆的な廃棄」を求める方針で一致。拉致問題を即時に解決するよう求めた。

 一方、首脳宣言では、東京五輪・パラリンピック開催について「新型コロナウイルス克服に向けた世界的な結束の象徴として、安全かつ安心な方法で開催することを支持する」と明記した。

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