[感想]第5回台湾李登輝学校研修団に参加して(5)[酒井 旭、江川 永]

[感想]第5回台湾李登輝学校研修団に参加して(5)[酒井 旭、江川 永]
第5回台湾李登輝学校研修団(9月2日〜5日)に参加された方から続々と感想を寄せてい
ただいています。第5弾をお届けします。ただし、メルマガでご紹介するにはいささか長文
ですので、お二方といたします。                (編集部)


■日本は台湾の国連復帰を支援すべし[千葉県 酒井 旭]

 昨今の台湾国内の動きが李登輝先生の意図しておられる方向から逸脱していることから
、使命感に燃えて、群策会を通じて、精力的に啓蒙活動を続けておられる李登輝先生のお
姿に感動しました。
 黄昭堂先生のお話は物事の表面だけでなく、裏面から、側面からと多面的な視点で解説
を加えておられ、感服しました。
 林明徳先生の台湾の歴史のお話の中で、中共が国連加盟を果たした時、蒋介石が国連脱
退に踏み切る動きを見せたので、岸信介元首相が台北へ飛んで行って慰留したことに加え
、米英も脱退を思い留まるよう忠告した由、もし蒋介石が李登輝総統のように忍耐強く、
国家百年の計を案ずる思慮深いリーダーであったなら、国連脱退のような愚行をせず、今日
、台湾が苦しんでいる問題の大半は解消していたであろうと、残念に思いました。
 米英両国が支持し、日本も国交断絶せず、台湾と中華人民共和国の2国共存が既存の事
実として国際社会で認知され、もし中共が武力で台湾を征服しようとすれば、レバノンの
ように、国連平和部隊(日本の海上自衛隊を含め)が台湾海峡を守備することも可能でし
ょう。日本の新政権も台湾の国連復帰を支援すべく努力しなければと思います。 (9月15
日)
*酒井旭氏は今回の副団長です。


■日本人はもっとしっかりせねば!![大阪府 江川 永]

 先日、久々の海外脱出と言うこともあって、胸を弾ませて参加させていただきました。
授業内容もすごく興味あることばかりで、睡魔に襲われる隙もありませんでした。
 ただ周りを見れば日本人だらけで、台湾に来たという実感があまりなかったのですが、
宿泊・研修先の渇望学習センター内にあったセブンイレブンで起きた出来事がとても台湾
っぽいというか、ふと私の台湾での出来事を思い出させました。
 その出来事というのは、研修に参加されたある人(日光の女性)が日本宛にはがきを送
りたいと言って、「ここから送れますか?」と聞いたところ、レジのにいちゃんが店の外
にその女性を連れ出し「明日あそこに行けば送れます」と、片言の英語で説明していたこ
とです。
 中国ではこうはいきません。昨年、上海・浦東空港に降りたときのことです。案内所で
杭州行きのバス乗り場を聞いたのですが「あっち」と言うだけで、服務員はおしゃべりに
夢中、私は重い鞄を持って右往左往。
 このコンビニ店員の行動を見て「あぁ、台湾だなぁ。漢字だらけの商品が並んでいるけ
ど中国じゃない。台湾だなぁ」としみじみ感じました。

 私が初めて台湾を訪れたときも、トランク抱えてタクシーに乗ったとき、初めて「ここ
は中国ではない」と知りました。「知った」というのは、それまで台湾は中国の一部なの
に「中国ではない」などとわがままを言っているところだと思っていたのです。台湾につ
いては小中高の授業で教えられたことくらいしか知らなかったので、仕方ないのかもしれ
ませんが、今から思えばとんでもなく見当違いな印象を持っていたものです。
 そのタクシーの運転手はいきなり「ニホンジン?」と言い出しました。トランクのバン
ドに名前が書いてあることに運転手が気づいてしまったのです。その瞬間「しまった!」
と思いました。しかし、日本人であることを白状しても遠回りなどされることもなく無事
ホテルに着きました。杞憂だったのです。
 その当時は中国に留学していて、タクシーに関してはトラブルをたくさん経験しました。
タクシーが目的地にすんなり到着するのは当たり前のことなのですが、中国にいるとだま
される方が当たり前のような感覚になってしまっていたのです。
 この至って普通の出来事が「台湾の人は中国人とは何か違うみたいだ。台湾は中国とは
同じではない」と感じるきっかけになりました。
 中国語をしゃべっているけど中国じゃない台湾。よく考えてみれば選挙という制度まで
ある台湾。台湾は中国の一部だと思っていたのですが、このとき肌で感じた「中国と台湾
はなんか違う」ことを少しでも多くの人に知ってほしいと思いました。
 それ以来、台湾の新聞を中国人のクラスメートに見せたり、日本から送ってもらった李
登輝VS連戦総統選挙ニュースのビデオを見せたり、台湾は中国ではないと中国人に論戦を
挑んだり、その結果、留学先の担当教授に怒られたり……。
 しかし、目で見て耳で聞いて台湾で体験したことは伝えられますが、基礎知識がないた
めに理屈抜きの結論を周囲にわめき立てるだけで、うまく説明ができません。
 感覚的にはわかっていますが、台湾は中国ではないという根拠を、台湾とは何かを知り
たくて、日本に帰って台湾に関する本を手に取りました。
 そして、知れば知るほど台湾は中国ではなくて、この変な状態をなんとかしたいと思う
ようになり、「どうすれば何とかなるのか、一般人でもできることは何か」を知りたくて
今回の研修の話を聞いていました。

 どの授業も印象に残りましたが、特に印象に残ったのが張良澤先生の授業です。
 文学史を通してそこまで当時の社会の様子がわかるとも思っておりませんでしたし、日
本語で表現する台湾の心、採硫記、水戸ラーメン、などの話も興味深く聞かせていただき
ました。また、台湾語、国語家庭、改姓名などは生の声ならではのお話で非常に印象に残
りました。
 そして、研修を通して何となくわかったことは「日本人は本来持っているはずの日本人
のいいところが見えていない」ということでした。日本人が以前のような日本人らしくな
ることが結局は日本や台湾そして世界のためになり、この異常な状態をまともな状態にさ
せる力になるのではないかと感じました。日本人はもっとしっかりせねば!!
 李登輝前総統はそのためには教育改革が大切だともおっしゃっていましたが、台湾は中
国の一部だと教えられる教育は改める必要があると思いました。台湾だけに限らず、隣国
についても客観的史実に基づいた教育への改革は待ったなしでしょう。あのとき本当のこ
とを教えられていたら、もっと私の人生も変わっていたかもしれません。そして、少なく
ない日本人は今でも台湾と中国の区別がつかないのではないかと思うと歯がゆくてなりま
せん。

「土台を失った日本人は武士ではない」
 最後にみんなで“仰げば尊し”を歌ったとき、李登輝前総統が最後まで歌っておられた
ことが印象的でした。私はほんのさわりの部分しか知らず口をパクパクするだけで、土台
がない日本人だと冷や汗をかきつつ反省しました。
 と言うわけで、10月末に台湾に行って、少し「土台」を分けてもらってきます。総統府
を案内していただいた蕭錦文さんに感動しましたので、日程が確定したら予約を入れてみ
ようと思っています。 (9月23日)


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