学習指導要領を廃止して以前の要領に戻すと発表した。中央通信社の記事を下記に紹介したい。
学習指導要領問題を元に戻すと発表して、内政面で成果を挙げた蔡英文政権はその2日後の5月23
日、別掲で紹介するように、2014年3月のひまわり学生運動に参加した学生などに対して馬前政権
が行った告訴を撤回すると立て続けに発表、目に見える形で改革を進めている。
蔡英文総統は5月20日の就任演説の最初に「若者のためにより良い国を作る」ことを挙げた。翌
日には政策に落として目に見える形で台湾の人々に示した。このスピード感には驚かされる。
沖ノ鳥島をめぐっても馬前政権の主張を事実上撤回したこと上に紹介した通りだ。総統就任4日
目というスピードだ。
日本の「植民地統治」強調した教科書、使用中止へ 政権交代で
【中央通信社:2016年5月21日】
(台北 21日 中央社)20日の民主進歩党(民進党)・蔡英文政権発足に伴い、教育部長(教育
相)に就任した潘文忠氏は21日、中国国民党・馬英九政権時代に同部が改訂した「課程綱要」(課
綱、日本の学習指導要領に相当)を廃止する行政命令を近日中に出すと発表した。
2014年1月に行われた改訂では、公民や歴史の教科書で、戦後長らく続いた政治弾圧「白色テ
ロ」に関する記述の削除や、「日本統治時期」から「日本植民統治時期」への変更、中国大陸との
つながりを強調する内容の充実化などが決定。当時野党だった民進党や民間団体が抗議を行ってい
た。
改訂に反対する動きは中高生にも波及し、施行直前の昨年7月末には、撤回などを求める生徒が
教育部の敷地内に突入する事態にまで発展。約1週間にわたり抗議の座り込みが続けられた。
潘氏は、課綱の改訂は手続きに問題があり、関与したメンバーも偏っていたと指摘。早期廃止を
約束した。
改訂版と旧課綱版のどちらの教科書を使うかは各学校の判断に委ねられているため、教育部は今
年9月からの1学期に限り、改訂版の使用を許可している。ただ、2学期目以降は旧課綱版の使用が
義務付けられる。
また、潘氏は2018年に導入予定だった新課綱について、更なる検討が必要だとして社会科に限っ
て2020年に延期する考えを示した。
(余暁涵、陳至中/編集:杉野浩司)