米韓共同声明で「台湾海峡の平和と安定維持が重要」と強調

米韓共同声明で「台湾海峡の平和と安定維持が重要」と強調

 訪韓中の米国のバイデン大統領と韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は5月21日、ソウルの大統領府で初の首脳会談を行い、バイデン大統領は会談後、尹大統領との共同記者会見において「台湾海峡の安定促進、南シナ海を含む航行の自由の確保も話し合った」ことを明らかにした。

 発表した「共同声明」でも「インド太平洋地域の安全と繁栄に不可欠な要素として、台湾海峡の平和と安定維持が重要だと強調した」(産経新聞「米韓首脳共同声明要旨」)という。

 5月23日に行われる岸田文雄総理との日米首脳会談でも「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた緊密な連携は重要なテーマであり、韓国が「インド太平洋地域の安全と繁栄に不可欠な要素として、台湾海峡の平和と安定維持が重要」との認識を示す共同声明を発表した意義は高い。

 昨年は、3月の日米安全保障協議委員会(2+2)に始まる一連の国際会議において「中国への深刻な懸念」とともに「台湾海峡の平和と安定の重要性」が強調され、4月の日米首脳会談後の共同声明で「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し、両岸問題の平和的解決を促す」という一文が挿入されて以降は、先進7ヵ国(G7)外相会議、日EU定期首脳協議、日豪外務・防衛閣僚協議(2+2)、そしてG7サミット首脳宣言でもまったく同じ文言が採択された。

 実は、先般5月12日の第28回日EU定期首脳協議でも「共同声明」が採択され、「尖閣諸島周辺海域を含む東シナ海及び南シナ海における状況を深刻 に懸念」し、「我々は、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し、両岸問題の平和的 解決を促す」との文言が盛られている。

 また、5月14日にドイツのヴァイセンハウスで行われた、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、米国のG7外相及びEU上級代表で発表された「外相コミュニケ」でも、「5.中国」の項において「我々は、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し、両岸の問題の平和的解決を促す」と謳われていた。この外相コミュニケではさらに「我々は、世界保健機関(WHO)世界保健総会及びWHOの技術会合への台湾の意義ある参加を支持する」とも謳い、台湾のWHAと技術会合への参加を支持していた。

 国際会議などの報道では、ロシアによるウクライナ侵略が非難されることが目立つものの、昨年の日米安全保障協議委員会(2+2)からの台湾海峡の平和と安定の重要性を強調する流れがいまだに続いていることにも意を払いたい。

—————————————————————————————–米韓首脳会談 同盟進化 インド太平洋関与【産経新聞:2022年5月22日】https://www.sankei.com/article/20220521-J2T5SNXDIBMC7JDKBMHQZEAXMQ/

 バイデン米大統領と韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の21日の会談後に発表された共同声明は、「世界のリーダーとしての両国の重要な役割を反映し、米韓同盟は朝鮮半島を超えて発展した」と宣言した。尹氏は、北朝鮮対応を主眼とした同盟をインド太平洋地域の安全保障基盤へと「格上げ」させる意欲を表明。バイデン氏はこれを歓迎し、米韓連携に期待を示した。米政権は、日米豪印による安保や経済の枠組み「クアッド」への韓国の参画も後押しする構えだ。

◆クアッド「歓迎」

「台湾海峡の安定促進、南シナ海を含む航行の自由の確保も話し合った」

 バイデン氏は21日の米韓首脳会談後、尹氏との共同記者会見で明らかにした。日米が先導してきたインド太平洋地域の平和と安定の確保に韓国が関与することを促した形だ。

 共同声明は「米韓同盟が進化し、広がる」と強調。民主主義などの価値観を共有する米韓が、安保や外交面だけでなく、感染症対策や気候変動問題などのグローバル課題でも協力を深めていくとした。

 また、尹氏が就任前、クアッド参加を求められれば「積極的に検討する」と言及したことを踏まえ、バイデン氏は共同声明で韓国のクアッドへの関心を「歓迎する」と明記。尹政権が地域安保で積極的な役割を担うことに期待を寄せた。

 経済も米韓の連携強化への有力な手掛かりとなる。

 バイデン氏は20日、韓国北西部平沢(ピョンテク)市内の韓国サムスン電子の半導体工場を視察し、「サムスンのような韓国企業が数十億ドルもの対米投資をしている」と称賛した。バイデン氏は22日にも、米国への巨額投資を決めた韓国・現代自動車に関して演説する予定だ。

 トランプ前政権時代、当時の安倍晋三首相は多大な対米投資実績を訴えてトランプ氏の信頼を勝ち取った。尹氏も同様に、米国で雇用を生む対米投資をアピールしている。

◆日韓改善が不可欠

 一方、緊迫化する北朝鮮情勢に関連し、バイデン政権は日米韓の3カ国による連携強化を重視する。そのためには冷却化した日韓関係の改善が不可欠だ。米政権高官は21日、歴史問題などに関し「(日韓が)互いに受け入れ可能で、合意できる方法」を見いだすことが重要だと強調した。

 また、バイデン氏は共同記者会見で、日韓関係について「(尹氏と)話し合った」と説明し、対日関係修復に意欲を示す尹氏の意向を、岸田文雄首相に直接伝達する考えを示唆した。(塩原永久)

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