私の歴史認識を大転換させた台湾との出合い(4) [元高校教諭 石部勝彦]

私の歴史認識を大転換させた台湾との出合い(4) [元高校教諭 石部勝彦]
「台湾に出合って初めて日本を知った」というケースが、日台関係に関わる人々の中
には少なくない。台湾というフィルターを通して日本を見ると、日本にいて日本を見る
よりはるかに客観的に見えてくるからだ。台湾人の場合は逆のケースが多い。日本に来
て台湾が見えてくるのである。

 そのどちらにも共通しているのが、歴史教育だ。

 日本では、日本は中国や東南アジアを侵略して植民地にしたひどい国だと教えられる。
ある高校の教科書では「日本はいかにして朝鮮・台湾を侵略したか」という見出しさえ
堂々と文部科学省の検定をパスしてくるのが実態だ。ところが、何かのきっかけで台湾
を知り、台湾の人々の親日ぶりなどを知ることで日本の真姿に開眼する。台湾に活眼さ
せられるのである。

 一方の台湾では、蒋介石・蒋経国時代に台湾の歴史は中国史の一部でしかなく、反日
教育が徹底していた。李登輝総統の時代になってようやく台湾史に光があてられるよう
になった。だから、留学生は台湾の歴史を知らないままに日本に来て、ようやく自国の
歴史を知るようになるのである。

 ここに紹介する、高校で世界史を教え、左翼を自認していた石部勝彦氏のケースはま
さに典型的なケースだ。思想に「転向」があるように、歴史認識にもコンバージョン(転
換)があることをよくよく示している。日本の歴史に誇りを持てたことで、人生観が一
変してゆく様は読み応え十分だ。

 中国や韓国、あるいは東南アジアの国々を知ったことで歴史認識の転換が起こったと
は寡聞にして知らない。これは友邦台湾ならではの現象と言えるかもしれない。

 本会会員でもある石部勝彦氏の「私の歴史認識を大転換させた台湾との出合い」は、
「自虐史観」からの脱却を訴えて日本の歴史教育に大きな波紋を広げた自由主義史観研
究会(藤岡信勝代表)の機関誌「歴史と教育」10月号(現在発売中)に掲載されている。
石部氏と同会のご了承の下、ここに分載してご紹介したい。本日が最終回である。

 なお、読みやすくするため、少し改行していることをお断りします。

                    (メルマガ「日台共栄」編集長 柚原 正敬)

■自由主義史観研究会
 〒112-0005 東京都文京区水道2-5-1-203
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*同会のホームページ「授業づくり最前線」に小学6年「総合的な学習の時間」実践報
 告として「台湾人に愛された日本人・八田與一」を紹介しています。
 http://www.jiyuu-shikan.org/jugyo58.html


私の歴史認識を大転換させた台湾との出合い(4)

                             元高校教諭 石部 勝彦

◆祖父の功績を感謝された台湾旅行

 その頃「台湾研究フォーラム」という団体のあることを知り加入した。そこで多くの
日本の好きな台湾人、台湾の好きな日本人と知り合いになった。

 その年の秋、この団体の主催する台湾旅行があり、私も参加した。黄文雄氏が案内を
して下さった。台南市に寄った時、地元の大実業家で先のシンポジウムで講演をされた
許文龍氏のお招きを受けた。氏が話をされたあと皆さんの話も聞きたいと所望されたの
で、私も発言した。祖父のことを申し上げ、「検事というのは弾圧者というイメージを
持っていましたが、台湾を法治社会にする上でいくらかでもお役に立てたと考えてよろ
しいでしょうか」と質問した。すると氏は、「その通りですよ。むしろ司法官の方は、
行政官が言うことを聞かない台湾人を厳しく罰してほしいというのを、法律に基づかな
い限りはできないと、台湾人を守って下さったのです。台湾人を代表してあなたのお祖
父様にお礼申し上げます。」と言って下さったのである。

 翌日は台中市を訪れたのだが、そこでの歓迎会で参加者名簿が配られ、私の名の所に
「元台中地方法院検察官長石部雄海先生御令孫」と書かれていたのだった。

◆まとめ

 このように私は、台湾の方々から戦前の日本の素晴らしさについて教えられたのだっ
たが、それが本当なのか、自分で確かめなければならないと思った。そして私なりの勉
強の結果、日本はそう言って頂けるだけのことをしたのだということに確信を持ったの
である。

 私は、日本が帝国主義であったこと、植民地支配をしたことは否定しない。しかし、
結果として台湾の人々を幸せにしたのだ。この意味を考えなければならない。欧米諸国
がしたこととは明らかに違う。その違いはどこにあるのか。私は、それは日本という国
の本質に由来すると考える。その本質とは何か、それは日本が素晴らしい国であったと
いうことに尽きると思う。このことに気が付いたとき、私は私の歴史認識の大転換に確
信を持ったのである。

 私の台湾についての勉強は、ちょっと祖父のことを知ってみたいという、いわば脱線
のようなものであった。しかし、ここに問題の本質が存在していたのだ。私は、これに
よって得られた歴史を見る目によって、日本の近現代史についての勉強を進めていきた
いと考えている。                             (了)

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