欧州議会が「香港における基本的自由の侵害に関する緊急決議案」を可決

欧州議会が「香港における基本的自由の侵害に関する緊急決議案」を可決

 EU(欧州連合)は周知のように、27ヵ国(21の共和国とベルギー、デンマーク、オランダ、スペイン、スウェーデンの5つの王国、そしてルクセンブルク大公国)からなる経済同盟で、欧州連合理事会と欧州議会の2院制からなる。理事会は加盟国から1人ずつ選任される閣僚で構成され、欧州議会の議員は5年ごとの直接選挙で各加盟国から選ばれる。

 最近、中国や台湾関連のニュースで欧州議会の名前をよく見かけるようになってきた。

 昨年の10月21日は、台湾との関係強化をヨーロッパ連合(EU)に求める「EUと台湾との政治関係と協力」報告書を賛成580票、反対26票、棄権66票で可決。EUに対して、加盟国と共に、台湾との政治的な関係を強化すること、台湾をインド太平洋地域における重要なパートナーと民主国家の盟友と見なすこと、台湾とヨーロッパ連合との交流を全面的なパートナー関係に引き上げること、EUの台湾における代表機関「欧州経済貿易弁事処」「駐台湾欧州連合弁事処」に改めることなどを提案し、大きなニュースとして流された。

 また11月3日には、公式代表団として、フランス選出のラファエル・グリュックスマン議員を団長に、リトアニアのアンドリュス・クビリュス元首相やチェコ、ギリシャ、イタリア、オーストリアの6カ国から選出の7人と議会事務局スタッフ13人を台湾に派遣したとも報じられ、欧州議会が台湾との関係強化を強く印象付けた。

 耳新しいところでは、1月20日に香港での人権状況の悪化を理由に、EUや加盟国に対し北京冬季五輪へ外交団を派遣しないよう求める決議を採択したと報じられた。

 これは「香港における基本的自由の侵害に関する緊急決議案」で、賛成585票、反対46票、棄権41票という圧倒的多数で可決している。

 台湾の台湾国際放送によれば、この決議には「中国がリトアニアに実施した経済制裁措置を強く非難すると共に、ヨーロッパ連合に対しても具体的な行動をとってヨーロッパ連合の単一市場を守るよう呼びかけ」るとともに「台湾の民主主義と香港の基本的な自由を守るよう呼びかけ」ることも盛り込まれているという。

 EUと中国は2020年12月に全面投資協定である「包括的投資協定(CAI)」を締結することで大筋合意していた。しかし、中国によるウイグル族への不当な人権弾圧に対してEUが中国当局者らに渡航禁止や資産凍結といった制裁を科したところ、中国が即座に欧州議員らに報復制裁を発動したため欧州議会は反発、昨年5月20日に批准に向けた審議を停止する決議を賛成多数で可決。

 今回の決議の中では、中国における人権の状況をEUと中国との「包括的投資協定(CAI)」を批准するかどうかの重要な根拠にするとも記されているそうで、投資協定の批准には欧州議会の同意が必要なため、EUと中国との投資協定は完全に暗礁に乗り上げたようだ。

 欧州議会が「香港における基本的自由の侵害に関する緊急決議案」を可決した1月20日、フランスの下院では、中国政府によるウイグル族に対する「ジェノサイド(集団殺戮)」を政府が公式に認定し、非難するよう求める決議を採択した。

 また同日は、「日仏外交・防衛閣僚会議(2+2)」が開かれ「東シナ海・南シナ海情勢への深刻な懸念を共有」し、「台湾海峡の平和と安定が重要であることを確認するとともに、両岸問題の平和的解決を促すことで一致」し、「香港情勢、新疆ウイグル自治区の人権状況についても深刻な懸念を共有している。

 EUと欧州議会の中国への不信感は高まりつつある一方、台湾との信頼関係は深まりつつある。

—————————————————————————————–外交部、欧州議会が中国のリトアニアへの脅迫を非難したことを評価【Taiwan Today:2022年1月22日】

 欧州議会の本会議が20日、「香港における基本的自由の侵害に関する緊急決議案(Joint motion for a resolution on violations of fundamental freedoms in Hong Kong)」を賛成585票、反対46票、棄権41票という圧倒的多数で可決した。同決議ではリトアニア支持の条文も追加、リトアニアに対する中国の経済的脅迫を強く非難すると共に、欧州連合(EU)が具体的な行動で単一市場としてのEUを守るよう呼びかけた。

 欧州議会の議員41名は今月17日、EUの指導者層に宛てた連名書簡でリトアニア支持を訴えている。欧州議会がそれから数日の間に再び緊急決議案という形でリトアニア情勢に高度な関心を寄せたことに対し、中華民国外交部(日本の外務省に相当)は21日、高く評価するとのプレスリリースを発表した。

 外交部はその中で、今回の緊急決議案の可決は欧州議会が中国によるリトアニアへの経済的な脅迫は差し迫った問題で、ただちにリトアニアが必要とするサポートを与えるべきと考えており、またこの考えが党派を超えて支持されていることを反映していると分析、その上で、欧州議会が引き続き実際の行動でリトアニアを支持していくことを歓迎するとした。そして、「台湾はこれからも民主・自由・法治・人権という共通の価値の上に立って、米国やEU及びEU加盟国など全世界における理念の近いパートナーたちと連携を深め、権威主義が世界の民主主義陣営にもたらす様々な挑戦と脅威に共同で対処していく」と述べた。

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